退職した会社が管理する海外化粧品の通販サイトの会員データ約1万人分を消去したとして、警視庁は、品川区西五反田6丁目、派遣社員渋谷博久容疑者(28)を不正アクセス禁止法違反と電子計算機損壊等業務妨害の疑いで逮捕したと9日発表した。
ハイテク犯罪対策総合センターと丸の内署によると、渋谷容疑者は「待遇や給与でトラブルになった上司を困らせたかった」と供述しているという。退職後にも変更されなかった会社の「特権ID」を悪用してデータを消去しており、同庁は企業に注意を呼びかけている。
渋谷容疑者は2月7日午後8時半ごろ、自宅のパソコンからITサポート会社「アットスター」(千代田区)のサーバーに不正にアクセスし、同社が管理する通販サイトの氏名、住所などの会員データと商品データ702件を削除して、会員がホームページを閲覧できないようにしたのが逮捕容疑。
アット社が翌日未明までに大半を復旧させたため実害は少なかったが、完全復旧には1カ月以上を要したという。