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あの伝説TVドラマ「水滸伝」35年経てDVD化

 日本テレビが開局20周年記念番組として制作し、1973年10月から放送された伝説の名作ドラマ「水滸伝」(全26話)がDVD−BOXとして復活した。空前の規模で制作されたテレビ史に残るスペクタクルで、当時、主演した中村敦夫(68)は「僕が出演してきた作品はほとんどDVD化されているので、ようやく、といった感じ」と感慨深げだ。

 73年といえば、石油ショックに襲われ、街にはフォークソングが流れていたころ。タクシー初乗りは170円だった。テレビ業界は意気盛んで「映画にもできないことをやろう」と、セットだけでも当時としてはケタ外れの5000万円をかけ中国の街並みを再現。カンフーアクションがテレビに登場したのも初めてだった。

 中村演じる林中は、宿敵・高求(佐藤慶)と死闘を繰り広げる。出世作「木枯らし紋次郎」の直後の出演だった中村が振り返る。

 「総製作費は当時でも約20億円、現在ならだいたい80億円ぐらいにはなる。何から何まで破格のスケール。中国の大古典がテレビドラマになること自体が前代未聞だった。前の年に日中国交正常化をしたばかりで、外交的な話題としても非常に注目を浴びました」

 中国ブームに沸いていたヨーロッパ各国でも放送され大ヒットした。

 「スペインでは取材を受けていないのに僕の顔が映画雑誌の表紙になったり、特集記事が組まれたりしてね。『電気技師の出身で、ブルース・リーの後継者として今やアジアの星である』『恋人は14人もいて、護身術のため1人1人に違う武術を教えている』とか、でたらめな記事が載っていた。それだけの大騒ぎだったということ。表が僕の顔、裏が佐藤慶の顔のメンコも売られていた」

 CGや特殊効果などない時代で、オープンセットでは城壁まで本当に作っていた。撮影中、中村は落馬して8時間ほど意識不明となった。「カツラをつけていたので自分が俳優であることは分かるけれど、他はどうにも思いだせない」と、しばらく記憶喪失になったハプニングも。

 「スタントマンがだんだん少なくなってきた時期で、アクションもほぼ全部自分たちでやったので、ケガが絶えなかった。アクションをいかに見せるかが本当に大変なドラマだった」

 今はテレビ局が映画に乗り出す時代。「水滸伝」に込められた“映画何するものぞ”というドラマ職人の気概はいずこへ−。

 「水滸伝 DVD−BOX」(バップ、4万530円)はビデオ発売もなく、今回が初のDVD化。「ニュープリントに加え、鮮明な画像でDVD化できるHDテレシネ処理を施した」(販売元)という。

ZAKZAK 2008/09/06