「ラジオなぞかけ問答」の放送を担当する古屋さんと有江さん=東京都渋谷区のNHKスタジオで
「一日10分間は楽しい〜を見つけるお時間……」。NHKの「ラジオなぞかけ問答」は、平日午後の番組の人気コーナーだ。
「○とかけて△と解く。その心は……」という、おなじみの言葉遊び。古屋和雄さん、有江活子さんの2人の進行役がトークを繰り広げながら、応募作を紹介する。互いが読む作品は本番まで秘密。放送中に笑い転げたり、思わずひざを打ったりする作品も多い。たとえばこんな具合。
「プライバシー」とかけて、「小さな魚」と解く。その心は「ネットからもれることもあるでしょう」。
お題が出ると、まず「その心は」の後を決め、解く言葉はその後で考える人が多いという。「意外なもので解こうと考えをめぐらせ、世の中の動きにも敏感でないといけない。頭を使っておられるんじゃないでしょうか」と古屋さん。
応募はメールとはがき、ファクスを合わせ、毎週500〜600点。小学生から80代まで幅広く、新しいお題を紙に書いて冷蔵庫に張り、家族ぐるみで考える一家もあるという。
中央群馬脳神経外科病院(群馬県高崎市)の中島英雄理事長は脳外科医で「桂前治」の名を持つ落語家。88年の開設以来、毎月1回の病院寄席を続けている。見に来た40人に協力してもらって脳の血流量を調べると、寄席の後は平均8.2%増えていた。「笑いは脳を活性化させるんです」
寄席の大喜利になぞかけを採り入れている。「聞く方は、どう展開するのか頭を使う。作る方も頭を使い、さらに、ウケた時は快感。これがまた脳に良い」。中島さんはそう言う。
●ウェブにも進出
なぞかけはウェブの世界にも進出している。ハンドルネーム「安楽庵(あん)えのでん」さんの「なぞかけブログ」(http://ameblo.jp/nazokake/)では一日一つ、新作を掲載する。「やり方さえ覚えれば、だれでも笑いが取れる」となぞかけを教えるビジネスも計画している。
このシリーズ名をお題に、えのでんさんに作ってもらった。「頭がよくなる!?」とかけて「初日の出」と解く。その心は「朝日の中でも、一番たくさんの人々に注目されています」。