東京医科歯科大生、「歯を白くする」と嘘つき胸もむ

　情報交換サイト「ｍｉｘｉ」（ミクシィ）に「無料で歯を白くしてあげる」と書き込み、誘い出した女性の体を触ったなどとして、警視庁本富士署は８日までに、準強制わいせつの疑いで東京医科歯科大歯学部６年の川野哲平容疑者（２８）＝文京区＝を逮捕した。川野容疑者は同大学病院の医師を名乗り、別の大学の女子学生（２０）を病院と隣接している大学に呼び出し、胸や下半身を触った疑い。

　本富士署によると、川野容疑者は６月上旬、ｍｉｘｉに東京医科歯科大の医師を名乗り「無料でホワイトニングします。希望者はお申し込み下さい」と書き込んだ。これを見て申し込んだ女子学生を同大学に呼び出し、７月４日と１９日に医歯学総合研究棟２１階の非常階段踊り場で、「歯を白くする薬は劇薬なので、乳がんの検査が必要」と持ち掛け、上半身を裸にするなどして、胸や下半身を触りまくったという。

　同大学は大学病院と同じ敷地内にあり、内部でつながっているため、女子学生は病院内での診察と思い込んでしまったようだ。おまけに同容疑者は、白衣や聴診器を身に着け、実在しない肩書を記した名刺も使用。６月中旬と下旬の２回にわたり、大学内のラウンジで女性と面談するなど、時間をかけて、女性を信用させていた。「肩をもんだだけ」と容疑を否認している。

　東京医科歯科大の田上順次歯科部長は「学生を教育する立場として深くおわびする。事実を確認し、厳正な対処をする」とコメント。同容疑者は順調に行けば、来年１月に国家試験を受け、来春には歯科医師という夢がかなう見込みだったが、とんでもない“お医者さんごっこ”で、退学処分は避けられなくなった。

　日本最大級の歯科相談サイト「歯チャンネル〈８８〉」の管理者で歯科医師免許を持つ田尾耕太郎さんは「ホワイトニングは相談が多い人気の治療ですが、保険外治療なので、国家試験には出ず、学生が研修で行うことは少ないはず。費用は３万円程度かかるため、無料というのは考えられません。劇薬を使用するというのも大ウソです」と注意を呼びかけている。