海上自衛隊の護衛艦の中で息子が自殺したのは、上司のいじめが原因として、県内に住む両親が、国に損害賠償を求めていた裁判で、防衛省は、8日、上告を断念することを決め、賠償の支払いを命じた高裁判決が確定しました。自衛官の両親は、8日、墓前に、「上告断念」を報告するとともに、いまだ収まらない自衛隊への怒りの胸中を語りました。(墓前で手を合わせる)(母親は)「(息子は)きっとみんなにお礼を言ってると思う。」この裁判は、平成11年、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦「さわぎり」の艦内で、男性三等海曹が自殺したのは、上司のいじめが原因として、宮崎県内に住む両親が、国に2000万円の損害賠償を求めていたものです。一審の長崎地裁佐世保支部は、上司の言動と自殺の因果関係を認めず、両親が控訴。そして、8月、福岡高裁で開かれた控訴審判決では、「上司の言動は指導の域を超える違法なもの」として、国に350万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。これを受け、対応を検討していた防衛省は、上告期限となった8日、上告しないことを決定。賠償を命じた判決が確定しました。(母親)「私たちは、子供の命にかわる誠実な答えをお願いしてきた。この答えは裁判官が出してくださった。自衛隊から、この答えをいただけなかったのが残念。」今回の判決は、自衛官の自殺で国の責任を認めた、異例のケースです。自衛官の自殺をめぐっては、現在、横浜と静岡でも遺族が、「いじめによる自殺」と主張する2件の裁判が行われています。
11月上旬にも実施される可能性のある、衆議院選挙について、民主党や社民党など、非自民勢力は、8日、県内の3つの選挙区で選挙協力し、統一の候補者を推薦することを決めました。(連合宮崎・横山節夫会長)「一致団結して戦わない限り、勝利の芽はない。そういうことを考えたときに、本日そういう確認ができたということは、大変意義深い1日になった」連合宮崎や民主党県連、それに社民党県連など、6団体でつくるCNP会議は、8日朝、宮崎市内で会合を開き、衆議院選挙の対応を協議しました。その結果、CNP会議は、県内の3つの選挙区で、候補者の住み分けなどによる選挙協力を行い、統一の候補者を推薦することを決めました。1区は、無所属での立候補を表明している、元林野庁長官の川村秀三郎氏、また、2区は、民主党の公認候補、3区は、社民党の公認候補を、推薦することになります。(立候補予定者の反応は)(民主党県連・井上紀代子代表)「初めて県内でも社民党と住み分けしながらでも、戦い抜いていくという決定をしていただいたので、ぜひ戦いの中に挑んでいきたいという決意でいっぱい」(川村秀三郎氏)「心から感謝を申し上げたいと思う。(労働組合など)下部組織もあるので、そういう方々に対して川村秀三郎の浸透ができれば、大きな力になると思う」連合宮崎の橋渡しで実現した民主党と社民党の共闘。しかし、課題もあります。民主党と社民党は、それぞれ、2区と3区で、公認候補の擁立を目指していますが、選定作業は難航。仮に、今の段階で有力視される11月上旬に選挙があれば、残り期間は2か月あまりしかなく、野党陣営の出遅れは否めません。さらに、1区以外は、民主、社民が、お互いに、公認候補を支援するという前例のない構図となり、実際の選挙で、どこまで協力できるか、未知数とも言えます。(社民党県連・鳥飼謙二代表)「統治能力を失っている政権を代えていくという意味では、(社民党支持者の)理解も得られると思うので、(協力)体制をつくっていくことは可能だと思う」政権交代を旗印に、結集を目指す県内の非自民勢力。まずは、候補者擁立という難題に、どういう答えを出すのかが、注目されます。
解散総選挙で政権交代をめざす民主党・・・「選挙の顔」は、小沢代表に決まりました。民主党代表選挙が8日告示され、小沢代表の「無投票3選」が決まりました。県内の反応です。8日告示された民主党代表選挙・・・。小沢代表の無投票3選が決まりました。(県民は)「いいと思いますよ。実行力あるし」「別に悪い印象は持ってませんけどね」「小沢さんねぇー、渡り鳥ですがね、あの人はあっちこっち。やっぱり自民党じゃないですか、影が薄いですよね民主党は」次期衆院選を政権交代に向けた、最後のチャンスと位置づける民主党・・・。小沢代表の続投について、民主党県連の井上紀代子代表は、「次期衆院選に向け、選挙に強い代表で戦うことができる」と、歓迎しています。(民主党県連・井上紀代子代表)「小沢代表は、本当に地方組織を大事にしていただいておりまして、そういう意味では選挙に強い代表で選挙をしたいという思いはどこの県連もあったと思います」「代表選をやらなくても、小沢代表で一致して戦おうと政権交代に向かって戦おうということは、その思いは非常に強くしている」これに対し、自民党県連の緒嶋雅晃会長は、「無投票当選のため、国民には政策が分かりにくいのではないか」と指摘。10日告示される、自民党総裁選に期待を寄せています。(自民党県連・緒嶋雅晃会長)「(候補者を)一本化にすることが全て私は良しとしない。そういうことで自民党(総裁選)は、多くの人が出て政策を中心に議論していくと、その方が国民にも分かりやすい選び方ではないかなと私たちは思う」(一方、東国原知事は)「一枚岩ではないところを、一枚岩に無理矢理したというようなところも見受けられるのかなという感じがした。それは国民のみなさんが来たる総選挙で、どういうお答えを出すかということなんでしょうけどね」次期衆院選は、11月上旬にも実施される可能性があり、各党の動きは、今後ますます活発化しそうです。
自民党の新たな顔を選ぶ自民党総裁選は、10日告示されます。5人の争いとなる見込みの自民党総裁選・・・、県選出の自民党国会議員3人は、MRTの取材に対し、麻生氏を支持する意向を示しました。自民党総裁選は、10日告示、9月22日に投開票が行われ、麻生幹事長や小池元防衛大臣など、5人による争いとなる見込みです。総裁選は、自民党所属の国会議員の1票ずつと、各都道府県連に割り当てられた、3票ずつを合わせた528票で争われることになっています。この総裁選について、中山議員と江藤議員は、8日、MRTの取材に対し、麻生氏を支持する考えを示しました。(衆議院宮崎1区選出・自民党・中山成彬議員)「(町村)派の全体としては、やっぱ麻生さんだろうと思う。私もじつは、政策的にも心情的にもそうなもんですから。まずは経済の再建、国民生活の再建を最優先すべきではないかということを、私もずっと言い続けてきたものだから、麻生さんは私が言ってることを言ってくれているようなところがある」(衆議院宮崎2区選出・自民党・江藤拓議員)「会社を経験されて、経営を経験されて、麻生さんは状況の変化に対応ができる。時代が変わったんだから、今まではこうだったけど、これからこういうふうに政策を転換する、そういう知恵と勇気がありますよ、あの方には」「江藤議員として、麻生さんに1票を投じると?」「それは当然です」また、古川議員も、6日、MRTのテレビ番組に出演した際、麻生氏に投票する考えを示しました。一方、自民党県連は、総裁選で割り振られた3票について、党籍2年以上の県内の党員、約1万人による投票を行い、得票数に応じて票を配分する「ドント方式」で候補者を決めることにしていて、9月11日に投票用紙を発送することにしています。
県内最大手の建設会社、志多組が、約280億円の負債を抱え、東京地裁に、民事再生法の適用を申請してから、1か月。志多組が受注した工事に、影響は出ていないのでしょうか?また、心配された連鎖倒産は、大丈夫なのでしょうか?志多組破たんのその後を追いました。(8月8日志多組会見・志多宏彦社長)「現在、工事している案件を最後までやり遂げてお引き渡しするのが、最大の目的だと、今回の申し立ての、と思っている」あれから1か月・・・。(岡元記者)「こちらが志多組が受注している東九州自動車道の建設現場です。破たん直後ストップしていた工事は、先月中旬に再開され、きょうも作業が続けられています。」8月破たんした志多組は、現在、東九州自動車道の清武、日南間28キロで、橋脚の建設や土木工事など、あわせて8件、総額13億7000万円を受注。北郷町のこちらの現場では、志多組により、高速道路の橋脚4本を建設する工事が進められています。8月は、破たん後、10日間にわたって工事がストップしましたが、国土交通省では、遅れは出ていないとしています。(国交省・宮崎河川国道事務所・西豊和副所長)「たまたま(工事の止まった)8月8日から18日は、お盆休みと重なり影響なかった。(志多組は)ほんの一部の工事区間(完成に)影響あるととらえていない。」一方、志多組の破たんで懸念されたのが、県内約300社に上る取引業者の連鎖倒産です。しかし、破たん後連鎖倒産したのは、志多組の関連会社2社だけで、影響は、最小限にとどまっていると言えそうです。(東京商工リサーチ宮崎支店・妹尾浩二課長補佐)「思ったより(連鎖倒産の)件数は少ない。志多組への依存度が高いところは業績が悪化して、倒産に追い込まれるケースも今後出てくるのでは」大型倒産の影響は、破たん後、半年から1年以上たって出てくる場合もあり、志多組の取引業者にとっては、資金需要の高まる年末を中心に、今後も、予断を許さない状況が続きそうです。
宮崎市の9月定例議会は、8日から一般質問が始まりました。このうち、認知不足が指摘されている、「地域コミュニティ税」について、市側は、若者向けの情報誌に広告を載せるなど、PRに全力を挙げていると説明しました。また、税の使途を決める地域協議会に、災害発生時、生活用品の支給や、炊き出しなどに活用することも提案していると説明しました。地域コミュニティ税は、来年4月からの導入が決まっています。宮崎市議会の一般質問は、9月11日まで行われます。
TR高千穂鉄道は、所有するトロッコ列車の県内での活用をめざし、近く、JR九州と協議に入ることになりました。これは、8日開かれた、TR高千穂鉄道の取締役会で決まったものです。TRは、有償譲渡を前提に、協議に入ることにしていますが、JR九州との協議がうまくいかなかった場合、「一般競争入札による売却」か、「公的団体への無償譲渡」も検討するとしています。一方、7両ある一般車両と、軌道モーターカー1台については、年内に解体される予定で、9月中に、沿線自治体などから有効活用の申し出があった場合、改めて取締役会で協議することにしています。
日南市にある、県立高等水産研修所の研修生たちが、遠洋漁業の実習航海に出発しました。航海実習に出発したのは、漁業後継者を育成する、県立高等水産研修所の本科生と専攻科生の男女、合わせて6人です。油津港であった出発式では、整列した研修生を前に、田原健所長が、「船酔いに負けず、実習に励んでください」と、研修生を激励しました。これに対し、研修生を代表して、本科生の楠本吉健さん15歳が、「体験を生かし、水産業発展の原動力になっていきたい」と、誓いの言葉を述べました。この後、研修生たちは、県の漁業調査取締船「みやざき丸」に乗り込み、見送りにきた家族に手を振るなどして、港を出発していました。研修生たちは、南西諸島の沖合いなどで、カツオの一本釣りやマグロはえ縄漁を体験し、9月20日に帰港することになっています。
自殺の予防につなげようと、深刻な心の悩みを受け付ける電話無料相談が、8日から始まりました。この電話相談は、9月の「自殺予防強化月間」にあわせて、九州と沖縄、それに、山口の精神保健福祉センターが、初めて合同で行っているものです。8日から、専門の相談員が、電話で深刻な心の悩みを受け付けていて、「一人で悩まず、どんなことでも相談してほしい」と、呼びかけています。厚生労働省の統計では、去年1年間に、県内で自殺した人の数は、394人にのぼり、人口10万人あたりの自殺者は、秋田県に次いで、全国ワースト2位となっています。最近では、仕事のストレスや多重債務を抱えるなどして、自殺を考えるケースが、年々増えているということです。電話相談の番号は、(0570)054054となっていて、相談は、9月12日まで、午前9時から午後9時までの時間に受け付けられます。(注意)IP電話やPHSからは、電話はかかりません。
県産材の利用を検討しようと、住宅メーカーなどでつくる県プレハブ建築連絡協議会が、都城市で、視察調査会を開きました。視察調査会には、製材業者など約30人が参加、都城市の木材利用技術センターで、スギの強度を調べる装置や乾燥機などを見て回りました。視察した協議会のメンバーは、「今後、プレハブ住宅にも県産材を取り入れていきたい」と話していました。
南郷町の港の駅「めいつ」では、旬の味、イセエビ定食が格安でふるまわれ、人気となっています。このイセエビ・フェアは、漁業基地、南郷町をPRしようと、南郷漁協が、直営店の港の駅「めいつ」で、毎年、特別定食をサービスしているものです。南郷町の目井津漁港にある、港の駅「めいつ」では、イセエビ漁が解禁されてから、毎日、先着50人限定のイセエビ定食が、メニューに加わりました。定食は、地元で獲れた太めのイセエビを1匹半使って、刺身や味噌汁、それに、茶碗蒸しや揚げ物など7品で、通常の半額の2500円となっています。店には、日南市や都城市などから、連日、多くの客が詰めかけ、安くて新鮮な旬の味を楽しんでいます。イセエビ・フェアは、南郷町の港の駅「めいつ」で、9月28日まで開かれ、獲れたてのイセエビを、1キロ4700円で買い求めることもできます。