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米大統領選 「変革」の道筋を競い合え

 米大統領選は、共和党大会でマケイン上院議員が正式に大統領候補に指名された。民主党はすでにオバマ上院議員を指名しており、戦いの構図が決まった。十一月四日の投票に向け、攻防は一段と激しさを増す。

 党大会は、双方に本選への弾みとなる成果をもたらしたようだ。黒人初の大統領を目指す四十七歳のオバマ氏は、外交経験豊かなバイデン上院議員を副大統領候補に起用し、弱点を補強した。さらに、大統領候補を激しく争ったヒラリー・クリントン上院議員の支持表明を得て党内の亀裂修復を演出することもできた。

 七十二歳という年齢とブッシュ共和党政権の影を抱え劣勢が伝えられたマケイン氏も、起死回生の大勝負が奏功した。副大統領候補に起用したペイリン・アラスカ州知事である。五人の子どもを持つ四十四歳の母親は、知名度の低さへの懸念を吹き飛ばし、見事な演説で一躍全米の注目を集めた。

 しかもペイリン氏は典型的な保守派で、中道寄りとして党内保守派から不信視されていたマケイン氏には頼もしい存在だ。指名受諾演説で、オバマ氏のお株を奪うように「変革の時が来た」と旧来型政治の打破を訴えて超党派へと触手を伸ばす発言ができたのも、党内が固められるとの自信からだろう。

 両大統領候補ともに「変革」をかけた勝負となる。本選では非難合戦でなく、変革の中身を存分に競い合って具体的な道筋を示していかなければならない。

 米国が直面する大きな課題の一つが経済政策だ。サブプライム住宅ローン問題に端を発した米経済の低迷、石油や食料の価格高騰などにあえいでいる。両党が発表した綱領によると、民主党は公共事業拡大で雇用創出や景気浮揚を図る。共和党は所得税などの減税を柱とする「ブッシュ減税」の継続を掲げている。しかし、ともに財源の根拠は定かでない。

 外交ではイラク政策で、民主党は米軍戦闘部隊の十六カ月以内の撤退完了を可能とする。これに対し、共和党も撤退に言及したが、期限は示さず「勝利して撤退しなければならない」としている。出口をどう見いだしていくのか。グルジア侵攻に踏み切ったロシアへの対応についても、強く非難する共和党に対し、民主党は「ロシアに民主化と説明責任を促す」との言及にとどまる。

 唯一の超大国として、米国の動向は国際社会に大きな影響を及ぼす。世界が注視する中で、期待に応え得る「変革」の議論を深めてもらいたい。


インド例外承認 核不拡散の形骸化を懸念

 日本など四十五カ国が加盟する原子力供給国グループ(NSG)の臨時総会は、核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドに対して米国が民生用原子力を支援する米印原子力協力協定を例外として承認することを全会一致で決めた。

 NSGはインドの核実験を機に米国の主導で一九七五年に設立され、原子力関連の技術や機材の輸出管理によって核不拡散を目指してきた。指針ではNPT未加盟国への核燃料・機器の輸出などを禁じている。

 総会は、無条件にインドの例外扱いを求める米国と、承認に慎重なオーストリアやニュージーランドなどの間で協議が整わず、当初二日間の予定を一日延期した。結局、インドが核実験のモラトリアム(一時停止)継続などを約束したことや、インドの民生用原子炉を国際原子力機関(IAEA)の監視下に置くことなどで慎重派の譲歩を引き出した。

 NPTの枠外で核兵器を保有するインドの例外扱いを認めたことは核軍縮・不拡散体制の根幹を揺るがす重要な問題である。背景には巨大なインドの原子力市場をにらんだ米国の思惑がうかがえる。原子力関連輸出を図る国々も追随する。経済的利益の前に核拡散の危機が広がると思うと残念だ。

 IAEAの監視が及ぶとはいえ軍事用施設は対象外だ。何よりも「核を持ったが勝ち」との誤ったメッセージを発してイランや北朝鮮、パキスタンなどに悪影響を及ぼしかねない。核不拡散体制の形骸(けいがい)化が懸念される。

 日本は、IAEAの査察担保や地球温暖化対策における原発の有用性から、先月には容認を決めていた。唯一の被爆国として「核兵器廃絶」をリードすべき立場だけに、毅然(きぜん)として反対を貫くべきではなかったか。

(2008年9月8日掲載)
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