MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 文化 皇室学術アートブックス囲碁将棋写真RSS feed

【町猫浪々】人の輪が自然に生まれた丸の内 (2/2ページ)

2008.6.8 07:04
【町猫浪々】人の輪が自然に生まれた丸の内=2003年、東京・丸の内(太田威重さん提供)【町猫浪々】人の輪が自然に生まれた丸の内=2003年、東京・丸の内(太田威重さん提供)

 彼らとともに猫を見守っていたホームレスの男性Nさんとその友人も忘れられない。

 薄幸な猫たちの力になりたいという思いは、いつしか人の輪になっていた。いつ立ち寄っても猫たちと、いずれかの人に会える日々が続いた。

 ところが02年に旧丸ビルが高層ビルに生まれ変わり、「丸の内再構築」に伴う周辺の開発が加速してくると、あたかもそれに呼応するかのように交通事故死や行方不明、また病死する猫が増えていった。猫が住める場所は失われ、今はもう人々が集うこともない。

 03年に駅舎内から撮ったこの写真を見ていると、数々の思い出が、フラッシュバックして駆け巡る。追想はかくも懐かしく、かくも切ない。(写真家 太田威重/SANKEI EXPRESS)

       ◇

 ■おおた・たけしげ 写真家。1944(昭和19)年、東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒。70年代後半から写真を撮り始め、80年代後半、バブル期の都市の荒廃を目にして以来、東京と猫をテーマに写真を撮り続けている。写真集に「東京−猫もよう」(平凡社)など。隔月刊誌「猫生活」(緑書房)に「東京町猫録」を連載中。

このニュースの写真

【町猫浪々】人の輪が自然に生まれた丸の内=2003年、東京・丸の内(太田威重さん提供)
【町猫浪々】写真家の太田威重(たけしげ)さん。1980年代後半、バブル期の都市の荒廃を目にして以来、東京と猫をテーマに写真を撮り続けている。隔月刊誌「猫生活」(緑書房)に「東京町猫録」を連載中(提供写真)
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。