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2008年09月08日

【今日のニュース】新しく建設される病院では感染予防などのために個室化が標準に

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 新たに建設する病院では病室をすべて個室にすべきであるという研究が、米国医師会誌「JAMA」8月27日号で報告された。フランスではすでに個室化が実現されており、オランダやノルウェーはその途上にあるという。

 病院ではこれまで多床病室が基本で、少人数の病室や個室は経済的に余裕がある患者しか利用できなかった。約1世紀も前に、治療には個室が最適であることが示されているにもかかわらず、現在の基準は1床、2床、4床の病室である。

 研究著者であるカナダ、サニーブロークSunnybrook健康科学センター(トロント)およびトロント大学の研究者らは、個室化には多数の便益があると述べ、次のような例を挙げている:

・院内感染が減少する(特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSAやSARSの流行時に重要)。
・治療ニーズが変わったときに別の部屋へ移す必要がなく、患者に負担がかからない。
・入院待ちの無駄がない。現在は、例えば男性部屋に空きがあっても女性の入院待ち患者には役立たない。
・他人の前で微妙な医学的問題を話さなくてもよい。
・家族や友人が訪問しやすい。
・個室のほうが静かであるため、疼痛管理や睡眠の質が改善されるとともに、血圧や心拍、呼吸数も落ち着く。

 米テキサスA&M大学健康科学センター地域公衆衛生部(カレッジステーション)准教授のJane Bolin氏は「以前の研究で、病室を個室化することで感染が減少することが示されている。投薬ミスも減少する証拠もあり、医師は患者と2人で話ができ、家族も立ち会うことができる。病院はこの方向に進むべきである」と述べ、個室のみとした場合の建築費用の増加についても回収可能としている。(HealthDay News 8月26日)








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