熊本市の慈恵病院が設置した赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)の課題を検証する熊本県と市の検証会議(座長、柏女霊峰=かしわめ・れいほう=淑徳大総合福祉学部教授)は8日、中間報告をまとめた。07年度預けられた17人のうち、身元が判明した10人の親の年代や家庭状況などを初めて公表した。
報告書によると母親の年齢は▽10代1割▽20代3割▽30、40代が計6割。預けた時点で結婚していた人が6割、夫と死別や離婚していた人が4割。赤ちゃんを1人で預けに来たのは2割で、8割は夫が付き添ったり、父母が代わって預けに来るなど家族らがかかわっていた。障害のある子供が預けられたり、両親が日本在住外国人という例もあった。
中には児童相談所に相談していた人もおり、柏女座長は「周産期医療施設にソーシャルワーカーを配置するなど、出産前から母親をケアできる体制づくりが必要」と述べた。
毎日新聞 2008年9月8日 19時42分