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2008-09-07

技術力の高いエンジニアをどこまで特別扱いすればいいのだろう

malaはてなを退職したって事で、原因は何だろう?

個性や創造性を発揮できない普通の会社「はてな」

malaさんがはてなを辞めた理由は知らないけども、このエントリーを読んでて思い出したことがあった。


3年ほど前に私が15名ほどのチームでプロジェクトリーダーをしていたとき、一人だけずば抜けて技術力のあるエンジニアがいた(Aさんとする)。Aさんは私の1つ上の先輩で、その技術力の高さを見込んで、ライブラリだのフレームワークだのの開発や改善をお願いしていた。それについては、当然ながらチームに多大な貢献をしてくれたと思っているし、技術に意識の高いメンバーを彼に付けて作業させたので、他のメンバーの成長にも役立ったのは間違いない。

しかし、その時プロジェクトには、もっと単純だけど、時間がかかって根気の必要な、欠かすことの出来ない作業もあって、ほとんどのメンバーはそれに従事していた。多分、ライブラリだのをプログラミングするよりも、ずっとツマラナイ作業だっただろうと思う。みんな、最後まで頑張ってくれたので、それにはとても感謝している。


さて、本題はここからだ。

当時、私が非常に恐れていたことがある。幸い、現実化することはなかったが。それは、他のメンバーが「Aさんだけ特別扱いでずるい」と不満を露わにすることだった。

プロジェクトがピークの時も、Aさんの労働時間は相対的に周囲より短かった。もちろん、それはAさんが効率良く作業を進めているからであって、努力と行動の結果としてそうなっているのだけど。ただ、分からない人には、それは分からないのだろうと思う(もちろん分かっている人もいた)。

求めている高いハードルをクリアしてくれている以上、Aさんの能力が発揮できるようにすることは、あのチームの1つのポイントであったことは間違いなかった。

しかし、Aさん一人が動けばプロジェクトが成功するわけではない。他のメンバーがやってくれている作業も、ゴールへ到達するためには欠かすことができないものなのだ。

要は全員がそれなりに力を発揮して貰わなければ、ゴールへ到達することができない状況だったわけである。

もし、Aさんのやり方と他のメンバーの不満が衝突していたら、どうすれば良かったのだろうか。未だに結論が見出せない。


個人的には、エース級のエンジニアや社員には、最低限のことを守ってもらえれば、とことん自由にやってもらっても良いんじゃないかと思う。しかし、一方ではルールに従ってもらうことを要求する人たちもいたとき、そこに衝突のリスクを感じざるを得ない。


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なまえなまえ 2008/09/08 15:46 大筋その通りだと思いますが、
「最低限のこと」というのが、人によって(特にいわゆる”スーツ”と”ギーク”間)考えが違うので、なかなか難しい問題だと思います。
”スーツ”が「これくらい最低限のこと守ってよ」と言うことが、”ギーク”の常識にはなかったり。

cyphertec_asakawacyphertec_asakawa 2008/09/08 16:57 チームで仕事する場合には、当り前のようにあるリスクですネ。
能力差はあって当り前だし、それをどのように知らしめることができるかとか、個々の不満を個々に吸収する以外に手はないと思います。そういった意味で、プロジェクトリーダにはどうしてもコミュニケーション力というのが要求されるのも当然なので、日々チームを見渡す気遣いが要は大切なのですが、そこが実はうまく行っていたのではないですか?それともたまたまだったのでしょうか?今後もありえる話とは思いますので、ちょっと振り返りしてみるといいと思います。
勝手なこと言ってすいません。

ゲスト


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