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マスター・ウェズレイの“決定力”養成学校

2008/09/08(月)

2008年9月6日:彼が初めて日本にやってきたのは、2000年のことだった。その彼もいまは36歳になり、Jリーグ3チーム目のクラブでプレーしている。そして、ゴールを挙げ続けている。
誰のことかって? もちろんウェズレイだ。名ゴールゲッターの彼は、今季好調の大分トリニータの原動力でもある。

水曜に行なわれたナビスコカップ準決勝・第1戦の対名古屋戦。ウェズレイはグランパスが先制点を挙げたわずか5分後に同点弾を決め、トリニータを救った。そのゴールはとても美しく、シンプルかつ決定的なものだった。正直なところ、名古屋のディフェンスもマズかった。まず、バヤリッツァがヘッドで高松に競り負け、そして阿部がヘッドでキーパーに戻そうとしたが、ボールがあまりにも弱すぎた。

それにしても、相手のミスにつけこむウェズレイのプレー、阿部の周囲に張り付きクリアミスのボールを奪ったときの完璧なポジション。名古屋のGK西村にはもう、セーブできるチャンスが残されていなかった。
エサを求めてエリアをうろつく猛犬の如く、まさにウェズレイらしいプレーだった。10回中9回、いや100回中99回、阿部のヘッドでのバックパスは無事にキーパーの手に渡るであろうが、ウェズレイは残された1回のチャンスを逃さずゴールを奪ったのである。
グランパス・ファン、そしてグランパスのドラガン・ストイコビッチ監督も、元チームメートである彼のこうしたプレーはイヤというほど知っている。

今シーズン、ウェズレイがキックオフ前にグランパスのベンチへ行きストイコビッチ監督と抱き合っていることに、私は気づいていた。二人が互いに尊敬しあっているのがよくわかる。
ウェズレイへのこうした敬意を感じる度に、彼がユニフォームを脱ぐ決断をした時にはきっと日本でコーチとして請われるだろうと思わずにいられない。若いストライカーのコーチとして、ゴールを挙げるという1点に彼らを集中させるのに彼は最適だろう。
ボールを持った時のウェズレイの頭にあるのはただ1つ。ゴールを挙げること。それ故、キーパーがラインから外れていると見れば、時としてセンターラインからでもシュートを狙っていく。常に考え、常に狙っている。
これは持って生まれた才能であり、決して教えられるものではない。だが彼なら、日本のFW陣に心理的、そして技術的な面でゴールの挙げ方を教えられるのではないだろうか。
ウェズレイが日本サッカー界に貢献できることはまだまだ多い。

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