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【コラム】「デモは韓国のほうが大きいのに」(下)

 これについて、ろうそくデモを主導した人たちは「外国メディアが一部の暴力的場面を誇張した」と残念がるかもしれないが、それはニュースというものの性質を知らないがゆえの発言だ。

 7日で13日目を迎えたバンコクの首相府、政府庁舎占拠も概して平和的に行われた。首相府前の集会は「首相即時退陣」というスローガンが翻るが、歌と笑いが共存するお祭りムードで、集会場付近の縦横1-2キロの“解放区”の中では数千人のデモ隊がハンモックやテントで昼寝をしている。しかし、外電が伝えるタイ関連ニュースはデモ隊同士の真夜中の乱闘劇やデモ隊がナイフや鉄の棒で武装した場面、覆面デモ隊が負傷者を運ぶ場面など「劇的」なシーンばかりだ。

 このため、タイの人々が実情をねじ曲げるなと訴えるのも無理からぬことだ。タイではプミポン国王が在位中の62年間に軍事クーデターが19回も起きた。しかし、1970年代のクーデターを除けば、大きな衝突はなかった。今回も2日の非常事態宣言で軍が出動したが大きな問題は発生しなかった。そのせいか、非常事態宣言後に実施した調査でも外国人観光客は「現政権による一時的な政治プロセスだと理解している」との答えが59%、「タイは危険ではない」との回答が73%にも達した。過去2週間に地方空港3カ所が一時閉鎖されたが、夜中の集会場を除けばバンコク、そしてタイは平穏だ。タイ渡航に対する警告レベルを引き下げてもよいように思える。

 一部には韓国に対するマイナス報道をめぐり、“後進国”から指摘を受け恥ずかしいとの声もある。どこが“後進国”なのかを争う前にすべきことがある。デモ隊と警察に負傷者が出たことや国の威信と将来などを考えても韓国のデモ文化は直ちに改めるべきだ。

バンコク=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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