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<事故米転売>不正の告発、昨年も 工場調査では確認できず

9月8日2時30分配信 毎日新聞


 「三笠フーズ」による事故米転売問題で、昨年1月に、同社の不正を告発する複数の情報が農林水産省に寄せられていたことが分かった。この情報を基に農水省は当時、福岡県内の工場などを調査したが、不正を見抜くことはできず、結果的に汚染米の転売量が拡大した。同省の対応を巡っては、今年8月中旬の検査でも不正を確認できなかったことが判明しており、甘い検査体制が改めて問われそうだ。

 農水省などによると、同社は、有機リン系殺虫剤のメタミドホスに汚染された中国産餅精米を06、07年度に計約800トン購入している。昨年1月に情報提供があったのは、このうち、06年11月に東京農政事務所から購入した500トン(550万円)に関する不正。「工業用のりに加工する名目だったが、食用に流用している」という趣旨の情報が、2度にわたって同事務所に寄せられたという。

 農水省から連絡を受けた福岡、佐賀両農政事務所は1月31日〜2月5日に調査を実施したが、同社の福岡と佐賀の倉庫に、落札した汚染米が保管されていたため、担当者は「転売はされていない」と判断。同社に対し「食用に流用すると食品衛生法に罰則規定がある」と説明しただけで、引き揚げた。

 結局、同社はこの後も汚染米転売を続行。農水省は今年8月中旬にも、福岡県筑前町の同社工場を検査しているが、この時も不正を見抜くことができなかった。同社は、のり用の加工作業を装うことで発覚を逃れていた。

 農水省の担当者は昨年1月のケースについて「寄せられた情報があまり具体的ではなかったため、強く調査、指導できなかった」と話している。【稲垣淳】

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最終更新:9月8日2時31分

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