東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

福祉タクシー券金券店に 荒川、豊島の交付分 23区で対策へ

2008年9月8日 07時09分

金券ショップの店頭で売られていた、荒川区発行の福祉タクシー券=東京都内で

写真

 東京都荒川区と豊島区が身体障害者らに交付している「福祉タクシー券」が、都内の金券ショップで相次いで安売りされていたことが分かった。福祉タクシー券は、本人の使用が前提。二十三区の各担当部署は連絡を取り合い、不正防止策の徹底に乗り出した。

 両区の券は、それぞれ数冊が金券ショップに並んでいた。荒川区のケースは、六月に発覚。一万二百円分のタクシー券一冊が、七千百四十円で売られていた。豊島区のケースは八月に発覚した。

 いずれも新宿区に事務所を構える団体代表の男性が見つけ、両区に情報を寄せた。

 荒川区の券は通し番号がないため、誰が横流ししたかは分からなかった。

 このため、同区は今回の横流し発覚を受けて、所有者を特定できるよう、券に番号を付けた。さらに、利用者やタクシー事業者に適正な使用を求める文書を送った。

 同区は、二〇○四年度から一時、記名方式にしたが、利用者から「障害者には記名が困難」などの苦情があったため、○六年度に無記名に戻していた。

 豊島区の場合は、通し番号が入っており、売られていた券を交付された人は特定できたという。

 区は、不正換金した障害者の受給資格を取り消したかどうかなど、詳細について明らかにしていない。

 福祉タクシー券をめぐっては、〇三年にも板橋区で不正換金が発覚。五人が受給資格を取り消された。

 荒川区の小林清美障害者福祉課長は「福祉タクシー券は、本当に必要な人を対象にしている、必要な施策。利用者のためにも、不正使用防止に取り組んでいく」と話した。

 区に情報提供した男性は「売りに出されるということは、福祉タクシー券の制度が福祉のニーズに合っていない部分もあるのでは」と指摘している。

 

この記事を印刷する