ことしの11月は忙しくなりそうだ。日本では10月解散―11月9日総選挙投票の日程が有力となり、米大統領選挙はその5日前の11月4日になるからである 4年に1度のうるう年は多事多難、景気が上向くという説がある。米大統領選挙で現職の政党が勝つために景気浮揚策を打ち出すからだとか、オリンピックが消費を拡大させるからとも言う 大きな政治日程が重なり「時代の節目」「激動の年」との表現が飛び交うこともある。が、明治維新や第二次世界大戦クラスの激動はそうそう起きるものではない。仮に激動の渦中にあっても、その変化に気づくことは難しい 「人はいつの間にか無くなっていくものは意識しにくい」と言ったのは作詞家の阿久悠さんだった。後になって、あの時が時代の曲がり角だったのかと気づくことが多い。阿久さんは日々流されて見えにくい変化を書き残すことの大切さを指摘したのである 米の正副大統領候補の顔ぶれはかつてとは変わり、自民党総裁選もそうなろう。曲がり角なのか、それほどでもないのか。よく見て、正確に記録しておきたい2008年の秋である。
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