産科補償制度への加入状況、広告可能に
厚生労働省は、来年1月の産科医療無過失補償制度の創設に向け、分娩機関が制度に加入していることを広告できるよう、省令を改正する方針を固めた。制度に加入する分娩機関へのメリットを明確化するとともに、妊婦に対してもアピールし、制度の普及促進につなげるのが狙い。
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厚労省は、9月4日に開かれた社会保障審議会医療部会に、制度創設に向けた準備の進ちょく状況などを報告した。それによると、全国3345か所の分娩機関のうち同制度に加入しているのは、9月3日現在2319か所で、加入率は69.3%にとどまっている。内訳は病院・診療所が72.5%、助産所が50.2%。
分娩機関が制度に加入していないために補償を受けられない事態を防ぐため、同省や制度を運営する日本医療機能評価機構では、すべての分娩機関に加入を呼び掛けてきた。加入は8月にいったん締め切ったが、加入率が低いため期間を延長。来年1月の制度創設に間に合うよう、9月中の加入を引き続き呼び掛ける。
今後は、分娩機関による加入状況の広告を可能にするほか、都道府県による医療機能情報提供制度を活用して制度の普及を図る方針だ。具体的には、近く開催する「医療情報のあり方等に関する検討会」で協議し、10月中にも省令や告示を改正する。
産科医療無過失補償制度では、分娩機関が支払う掛け金(一分娩当たり3万円)が補償金の財源になる。運営組織は、契約先の民間損害保険会社に保険料を支払う。事故発生時には、分娩機関が運営組織を通じて保険金を受け取り、脳性まひ児と家族に補償金として計3000万円を支払う仕組み。来年1月以降の分娩に適用し、補償対象は年間500−800人とみている。
同省によると、保険金を支払う損保6社のうち、中心的な役割を担う幹事会社には既に金融庁から保険商品の認可が下り、残りの5社も近く認可を受ける見通しだ。日本医療機能評価機構は認可が下り次第、正式に契約を結ぶ。
また、同省は12日に開く社会保障審議会医療保険部会に、出産育児一時金(現在、新生児一人につき35万円)を引き上げ、掛け金3万円分を上乗せする案を示す。
更新:2008/09/05 13:15 キャリアブレイン
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