毒性の強い農薬「メタミドホス」などが付着した輸入米を、大阪の食品メーカーが食用として不正に市場に流通させていたことがわかりました。農林水産省は、この食品メーカーを刑事告発する方針です。
日本政府は毎年70万トンあまりのコメをアメリカや中国などから輸入していますが、このうち、保管中にカビが生えたり、基準以上の残留農薬が検出されたコメは「事故米」とされ、のりの原料など工業用に限るとの条件で企業に販売されています。
しかし、大阪の食品メーカー・三笠フーズがこの工業用のコメを焼酎の原料など食用として不正に転用し、西日本を中心に転売していたことが農林水産省の調査でわかりました。
「申し訳ございませんでした。いわゆる焼酎用の原料です。」(三笠フーズ社員)
食用に転用されたコメの中には、発がん性の高いカビや毒性の強い農薬「メタミドホス」が検出されたものも含まれていたといいます。
「チェックを定期的に行っているので、そういうものをあざむいてやったという意味で悪質」(農林水産省担当者)
農水省は今のところ、健康被害の報告はないとしていますが、商品の回収を求めるとともに、三笠フーズを食品衛生法違反の疑いで刑事告発する方針です。(05日22:54)