舛添要一厚生労働相は5日の閣議後会見で、大学医学部を卒業した新人医師に2年間義務付けられている臨床研修について、大都市の病院への集中を防ぐため「地域枠」を導入すべきだとの考えを示した。また臨床研修制度の在り方を見直す検討会を文部科学省と合同で来週発足させ、年内をめどに改革案をまとめることを明らかにした。
新人医師の研修先は、04年度の制度改正で、出身大学以外の病院も自由に選べるようになり、これが地域の医師不足につながったとの指摘が出ている。舛添厚労相は「(研修先の指定などの)規制はすべきでない」としたうえで、「大学がその県の出身者に奨学金を出したり、へき地で研修した医師は優先的に留学できるようにしたりする方法は、医師偏在の解消に非常に有効だ」と述べた。
また、若手医師の大学病院離れについて「大学教育に魅力がないことも原因」と指摘し、実習よりも研究を重視する大学病院の姿勢や文科省の補助金の出し方に疑問を呈した。【清水健二】
毎日新聞 2008年9月5日 21時35分