日本代表選出にあたっての佐藤寿人選手(広島)コメント [ J's GOAL ]
「J2から代表は選ばない」と言われていた時代は、もう終わっている。
6月14日(土)のワールドカップアジア3次予選・タイ戦には、C大阪の香川真司選手が出場。22日(日)の対バーレーン戦の日本代表メンバーには、広島から佐藤寿人選手が選出された。
佐藤寿選手は今日の朝、練習のために吉田サッカー場に訪れた時、代表招集の連絡を受けた。ペトロヴィッチ監督からは「代表の試合は、週末の水戸戦の翌日じゃないか。試合を見に来てくれよ」と冗談で祝福された後、「怪我には気をつけて、頑張ってこい」と励まされた、という。
約1週間前、一部スポーツ紙に「代表招集」が確定したかのような記事が掲載されたが、その時点ではクラブにも佐藤寿にも、その知らせは届いていなかった。その記事が掲載された時、記事を読んだサポーターから「おめでとう」と声をかけられ、彼は戸惑いを隠せなかった。
「今度は正真正銘(の代表復帰)ですね」と佐藤寿は笑う。ただ、J2はワールドカップ予選開催時もリーグ戦が開催される。広島ではキャプテンを務めるだけに、彼としても想いは複雑だ。
しかし、日本代表としてワールドカップ予選を闘えることは、サッカー選手として最高の栄誉だ。代表の青いユニフォームを着て闘うことにプライドを感じてきた佐藤寿人にとっては、初めてのワールドカップ予選となるだけに、想いは格別だろう。
「日本を代表して闘うのはもちろん、僕自身は広島というチームを代表しているという誇りを持って戦います」
広島の次節・水戸戦に、エースはピッチに立てない。しかし、勝利への想いを仲間に託し、佐藤寿人は日本のために闘う。「広島のプライド」を胸の奥底に秘めて。
●佐藤寿人選手コメント
「チーム(サンフレッチェ広島)がリーグ戦を闘っている時期に代表に呼ばれたわけで、気持ちは複雑です。今季はJ2で優勝してJ1に復帰するだけを目標として考えていたし、これまで代表合宿にも呼ばれていなかったまで、このタイミングでの代表招集はないのでは、と思っていました。
もちろん、代表に選出されたことは嬉しいです。J2はメディアの注目が低いカテゴリーで、試合の翌日ですら、ゲームがあったかどうか、新聞等ではわからないくらい。そこで闘っている僕が代表で頑張ることによって、広島の名前も表に出ることになりますから。
当然、代表では日本のために闘うわけですが、僕は広島というチームも代表しているという誇りを持って、やっていきたい。
ウチには素晴らしい選手がたくさんいます。今季、J2を戦いぬいてJ1に復帰すれば、もっとたくさんの選手が代表に呼ばれるようになると思います。
岡田監督のもとでプレーしたことはまだないのですが、試合はずっとテレビでは見ていました。久しぶりに(遠藤)ヤットさんや(中村)シュンさんとやれるのは、楽しみですね。
試合までの短い時間の中で、戦術に慣れていきたい。ただ、チームでやっているプレーを評価されたのでしょうし、それ以上のことはできませんから。しっかりと自分のプレーをアピールして、試合に出たい。もちろん、アウェイでバーレーンには負けているわけですから、ホームでは絶対に勝つつもりで頑張ります。
週末には重要な水戸戦が待っている中、チームを離れてしまって申し訳なく思います。チームメイトに、勝利の想いは託したい。ウチのFWには(久保)タツさんも(平繁)龍一もいますからね。必ず、勝点3をとってくれると信じています」
以上
2008.06.16 Reported by 中野和也