県は6日、県内の医療関係者を対象に、アスベスト(石綿)関連病の識別方法などを学ぶ研修会を開催。60例以上の石綿がん「中皮腫」を診た経験を持つ横須賀市立うわまち病院副院長の三浦溥太郎医師(63)が講演し、石綿を巡る法制度や診断する上での注意点などを語った。
医療機関での石綿関連病の見落としをなくし、被害者の救済につなげるのが目的。医師や看護師ら約150人が参加した。
三浦医師は、CT画像を示し、肺がんや中皮腫、石綿肺など石綿関連病の特徴を丁寧に解説した。
また、石綿救済法の改正で、同法の施行(06年3月)より前に死亡した被害者の救済期限が12年3月まで延長されることも説明した。
県内では、34人の石綿被害者が同法に基づき、医療費や特別遺族弔意金を受け取っている(8月21日現在)。【大久保昂】
毎日新聞 2008年9月7日 地方版