身体に障害のある方が、その障害を克服し、社会参加を果たすための様々な福祉的制度の支援策を受けるために必要な証明書です。 『身体障害者手帳』を持っていないと法律上は『身体障害者』となりません。
身体に障害があっても、『身体障害者手帳』を取得するかどうかは、個人の自由で強制されるものではありません。 ただし、『身体障害者手帳』がないと受けられない福祉的制度があります。 それを知っていただいた上で、手帳を取得するかどうか決めてください。
例えば労働災害で障害になった場合になどに、補装具給付を受けられる制度があります。
どの制度を使うかという優先順位が決まっています。
身体障害者福祉法での支給を受ける場合に身体障害者手帳が必要となります。
身体上の障害を、軽減または除去するための医療が『自立支援医療(更生医療)』です。 『自立支援医療(更生医療)』を受けるためには、身体に障害があることが条件であり、そのために『身体障害者手帳』を持っていることが条件となります。
ただし、身体障害者手帳に記載された傷病名・障害名によって受けられる『自立支援医療(更生医療)』は異なります。
福祉の制度を受けるための条件の一つが『身体障害者手帳』です。 しかし、福祉の制度が必要な方は身体障害者だけではありません。 例えば以下の条件に当てはまる方は、他の制度によって福祉の制度を受けられる可能性があります。
対象となる障害については、『身体障害者福祉法』に定められています。
『高次脳機能障害』だけでは、 身体障害者手帳の対象とはなっていません。
『認知症』は身体障害の原因とは認められていません。
ただし『認知症』のために、長期にわたり寝たきりなどで体の機能が身体障害の状態まで低下した場合には申請できる可能性があります。
事故や病気によって『意識不明』、『遷延性意識障害』の状態にある場合について、それだけでは身体障害とは言えません。 回復の可能性もあるからです。しかし、長期にわたって寝たきりであるために体の機能が身体障害の認定基準に合うような場合には申請できる可能性があります。
基本的には、概ね3歳からです。
体の機能が発達していく段階での肢体不自由の認定は、正確にその障害を認定できない場合が多くあります。
ただし、先天性の欠損、事故等による切断など、 発達とは関係のない明らかな障害は認定される可能性があります。
また、概ね3歳未満であっても脳波による聴力検査等で客観的に障害がわかる場合には交付される可能性があります。
年齢の上限は特には決められていません。
ただし、高齢で体が動きにくくなったというだけでは対象とはなりません。
市町村に外国人登録している方なら申請できます。 一時的な滞在や、違法な在留の場合は対象外です。
『更生医療』の予定の有無に関わらず、身体障害者の等級表に該当すれば身体障害者手帳の取得はできます。 しかし、『更生医療』制度を使いたいために、障害が固定していない段階で身体障害者手帳を申請するのは好ましくありません。
住民登録している市町村に申請します。 『福祉事務所』、『障害福祉課』、『福祉健康課』、『住民課福祉係』などさまざまな名称で呼ばれていますが、 『身体障害者手帳の申請窓口』と言ってお訪ねください。
身体障害者ご本人が申請できます。 ご本人が直接申請できない場合は、ご本人の親族等が行いますが、詳しくは市町村窓口にお尋ねください。
15歳未満の児童は、保護者(親権を行うもの及び後見人)等がこれを行います。 里親または児童福祉施設に入所中であれば、里親または児童福祉施設長が代わって申請できます。
基本的には以下の書類が必要です。証明写真以外は市町村の窓口にあります。
身体障害者手帳のための診断書を書けるのは、一定の臨床経験(おおむね5年、肢体不自由は6年)のある医師です。 そして、『身体障害者福祉法第15条指定医師』として認定されている必要があります。 また、第15条指定医師ごとに診断書を書ける障害種別が決まっています。
意見書・診断書には、症状の経過を書く必要があるので、 申請者の傷病について経過を知っている主治医等に書いていただくのが望ましいと言えます。 しかし、主治医等が法第15条指定医に認定されていない場合は別の第15条指定医師に書いてもらうことになります。その際は、 かかりつけの主治医等から情報提供書をもらって紹介してもらうのが良いでしょう。
本人であることを確認できることが求められますので、以下の内容でお願いします。
容貌が変り、手帳の写真では本人確認が難しい場合には、新しい写真で再発行しますのでお気軽に市町村窓口申し出てください。
同じ市町村内であれば、その市町村の身体障害者手帳の申請窓口で可能です。 他の市町村や、県外に引越しされた場合には、転出先の市町村の身体障害者手帳の申請窓口で申請します。 ただし、福祉施設に入所中の方については別の取り決めがあります。
なお、住所の変更の場合は、窓口で係員が新しい住所を記入し、証明印を押してすぐお返しします。
身体障害者の施設、知的障害者の施設、児童福祉施設などに入所中の方の申請先は、その施設のある市町村ではなく出身市町村となります。
養護老人ホーム等の場合は、その施設の所在地の市町村です。
『身体障害者手帳』は日本全国で使用できます。他県の手帳をそのままお使いいただけます。 ただし、障害の程度が変化したり、障害の追加がある(再交付の)場合、紛失・破損等で再発行の場合には、長野県の手帳を新規に申請していただくことになります。
内容 | 手続き | 必要なもの |
障害等級に変更はない | 市町村で手続きし、新しい住所を記載してもらい、証明印を受けてください | 現在お持ちの手帳 |
障害等級が変る可能性がある | 新規交付と同じ手続きをします(申請書は再交付) | 意見書・診断書 証明写真 |
紛失・破損など | 現在お持ちの手帳の障害内容と障害等級を引き継いで、長野県としては新規交付します。 以前の発行資料があれば意見書・診断書は不要です。 | 破損の場合はその手帳 証明写真 |
新しい証明写真をご持参いだだき、市町村に再交付申請を出してください。
ご家族の方が市町村の身体障害者手帳の申請窓口に申し出てください。その場で手続き可能です。
亡くなられた方の手帳を無くしてしまった場合にも、窓口で手続きが必要です。
再発行(再交付)の手続きをしてください。
再発行(再交付)の手続きをしてください。
再発行(再交付)の手続きをしてください。
再発行(再交付)の手続きをしてください。
市町村の身体障害者手帳の申請窓口に必要書類をそろえ再発行申請してください。 新しい手帳が届くまで、これまでの手帳をお使いください。
身体障害者手帳に限らず、知的障害者のための療育手帳、精神障害者のための精神保健福祉手帳の取得申請自体は無料です。
ただし、診断書の作成、証明写真、診断のための受診や申請のための交通費は個人の負担となります。
申請書類は、長野県の場合(長野市を除く)は長野県立総合リハビリテーションセンターに送られ、審査されます。
指定医師が記載する意見書・診断書に書いていただくのは、指定医師のご意見であって、必ずしもそのままの等級で認定されるわけではありません。
等級が下がる可能性のある場合は、審査会に諮問し、複数の専門医師が審査して等級を決定します。
意見書・診断書の障害および等級判定上の疑問や記載ミスなどがある場合に、記載の訂正をお願いするため調査の目的で書類をお返ししています。 意見書・診断書を記載した法15条指定医に内容訂正をお願いしてください。
この調査は、障害の認定に必要なものであり、訂正されないと手帳の認定ができません。
『却下』とは、申請された意見書・診断書の内容を審査会で審議して、「障害に該当しない」あるいは 「障害程度変更申請があったが、等級の変更はない」という場合です。
新規の交付申請で、却下となった場合には、手帳は交付されません。
すでに手帳をお持ちの方の、障害程度が変更できない、あるいは障害が追加されない場合には 現在の手帳はそのままお使いいただけます。
いづれの場合も、将来障害が生じたり、障害程度に変化が生じた場合には再度申請することで交付、 再交付される可能性はあります。
『肢体不自由』の場合に『7級』がありますが、軽度な障害であるため『7級』該当が複数あった場合にはじめて上位の等級になるというものです。 『7級』単独では手帳交付の対象にはなりません。
「却下」、「7級該当」については、審査会で複数の専門医によって審査された結果です。 不服申し立てを行い、再審査を求める方法もありますが、指定医師あての理由書をお渡ししますので、 まずは指定医師にご相談ください。
不服申し立てについては、結果について知った日の翌日から数えて60日以内に行うことになっています。詳しくは市町村窓口、県立総合リハビリテーションセンター更生相談室にお尋ねください。
障害・症状が急激に変化したり、前回の意見書・診断書の記載内容に追加情報があったりするなどで、 障害程度にあきらかな変化が認められれば、再交付審査により新たな等級に認定される可能性はあります。
しかし、診断書の記載内容に、障害程度の変化が認められない場合には、現在の等級のままです。
障害の程度は、高齢化、病気の再発、手術などによって変化します。 そこで以下の場合には、再度審査を行い等級が適切であるかを判断する必要があります。
再認定は、該当する障害の意見書・診断書を提出していただくことになります。 この意見書・診断書は、最新の状態に基づき記載されたものが必要です。前回のものは使用できません。
これについては『身体障害者程度の再認定の取扱いについて』という通知で、永続的な障害以外は受けることが義務づけられています。 再認定が必要な場合には、通知文が渡されます。その場合には、必ず受けていただく必要があります。
ただし、特段の事情がある場合には除外、延期可能な方もいらっしゃるので、市町村にお尋ねください。
再認定を受けないまま手帳を使いつづけると、返還しなければならない場合もあります。
障害が軽減されて基準に該当しなくなれば手帳を返還しなければなりません。
例えば、『更生医療』は障害の軽減のために行う医療ですが、これにより障害に該当しなくなることがあります。
国の基準では、概ね60日以内を想定しています。 長野県では、申請書、証明写真に問題なく、意見書・診断書に記載された障害の内容と程度が認定基準に合致する場合には、 概ね1カ月半以内で交付します。紛失・破損による再交付(再発行)については、1週間をめどに発送しています。
ただし、記載内容に不備があって再調査を行ったり、審査会に諮問されたりすると日数はかかります。
身体障害者福祉の対象者でなくなったわけではないので、制度は継続してご利用いただけます。
しかし、運賃割引、窓口証明など、その場で本人確認のために証明写真が添付された手帳が必要なものについてはご利用いただけません。 急ぎ、再交付申請を行ってください。
様式については、別のページでご説明しています。
身体障害の程度によって『等級』がつけられます。交付されている手帳には1〜6級まであり、数字が若いほど障害が重いとされています。
補装具、日常生活用具などの福祉制度を受ける場合、 自動車税の減免、 郵便による不在者投票等について、上肢の機能障害、下肢の機能障害、体幹機能障害のそれぞれの等級に応じて 給付の範囲や資格が決まっています。これらの制度を受けやすくするために表記されているのです。
公共交通機関をご利用される場合の割引基準です。
第1種、第2種の区分は障害の内容と等級によって決められています。 例えば『心臓機能障害』ではすべての等級が第1種となりますが、聴覚障害では3級以上が第1種で、4級、6級は第2種です。 肢体不自由の場合には、同じ3級であっても『体幹機能障害』は第1種、『一上肢の機能障害』は第2種となります。
『身体障害者手帳』は福祉制度を利用しやすくする役割も持っています。 その原因疾患によっては、特別な疾患として福祉制度が適用できる場合があります。 また、将来にその原因疾患のための福祉制度ができる可能性もあります。
なお、長野県の新しい様式の手帳では、プライバシー保護のために表紙になって提示する部分には障害名は表示されません。
利用方法については、別のページで解説していますのでそちらをごらんください。
身体障害のある方のために、ご家族等が福祉等の手続きを行うこと(代行)は問題ありません。 障害のある方を扶養している場合には税金の控除等があります。
しかし、ご家族がその身体障害のある方に代わって制度を受けることはできません。 例えば、障害者ご本人が乗車していないのに有料道路割引を受けることは割引指定された自動車であっても認められません。
なお、有料道路割引、運賃割引等を利用する場合には、身体障害者手帳を持参していただく必要があります。
具体的な内容についてお知りになりたい方は、お住まいの市町村にお尋ねください。 当センターでは、プライバシー保護のため個人的な障害内容についてはお答えできません。
長野県立総合リハビリテーションセンター:更生相談室