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5人強制採用取り消し きょう決定

[2008年09月07日 09:47]

不正採用されたクラス担任がいることが分かり、保護者説明会に出席するため、玄関から学校に入る保護者たち=6日午後6時55分

 県教育委員会は七日午前、二〇〇八年度教員採用試験で点数改ざんにより教員となった二十一人(一人は既に辞職)に対する採用取り消しと辞職を決める臨時会を開く。これまでに十五人が辞職願を出しており、残る五人が採用取り消しとなる見通し。
 県教委は八月二十九日の臨時会で対象者の採用を取り消す方針を決めた際、自ら辞職することも選択肢の一つにした。対象者には改ざん前後の点数を示し、採用取り消しを伝えていた。
 採用取り消し、辞職となった教員はいずれも、臨時講師として教壇に立つことができる。これまでに辞職を選んだ十五人中十人、採用取り消しとなる五人中三人が臨時講師を希望。採用取り消しと辞職のどちらを希望しても、臨時講師としての採用に不利益はないという。
 辞職を選んだ場合、勤務を始めた四月以降の教員歴はそのまま残り、年金も引き継げるが、勤務実績が少ないため、退職金は発生しない。
 強制的に採用を取り消された場合、四月以降の勤務実績が残らず、教員だった存在自体が消されることになる。年金は掛け金が払い戻されるが、空白の状態になる。このため、さかのぼって厚生年金に加入し、県教委が事業主分を負担する。退職金はないが、労働基準法上の解雇予告手当(給与三十日分)が出る。 
 県教委によると、辞職願を出していない五人のうち、四人は採用取り消しとなることを選んだ。一人はどちらを選択するか意思表示しないまま、採用取り消しになるという。

緊急説明会
教諭、保護者に直接語る 「辞めないで」の声多く
 二〇〇八年度教員採用試験で、不正採用されたクラス担任がいることが分かった県西部と南部の四校で六日夜、緊急保護者説明会があった。七日の県教育委員会臨時会で「教諭」としての身分を失う、その前夜の集まり。学校関係者によると、涙ぐむ教諭もおり、複雑な心境を語ったという。
 
 【県西部】教諭が二十八人のクラスを担当する学校では、説明会後に校長が「本人はこの学校から去る判断をした」と話し、今後の身の振り方は本人の意思を尊重し公表しなかった。
 教諭は「迷いがあった。不正だと知らなかったとはいえ、迷惑をかけました」と涙ぐんだ。「本人の責任ではない。辞める必要はない」との保護者の発言に「子どもに良いこと悪いことを伝えるとき、良心に引っ掛かる」と答えたという。
 三十七人のクラスを担当する教諭の学校の校長によると、教諭は「不正を知らされ頭が真っ白になった。納得していない」と心情を吐露。時折、涙ぐみ「子どもに『悪いこと』をどう指導していいのか、どう影響を与えるのか分からない」と揺れる気持ちを語った。保護者からは「残ってほしい」との声が多く、「なぜ、この時期に処分するのか」と県教委への批判もあったという。
 教諭から処遇を一任された学校は、今後、別の学校で臨時講師をするよう勧めることにしている。
 
 【県南部】教諭が勤務する学校はクラスの保護者約三十人が出席。教諭は「不正は知らなかった。三月まで先生を続けたい」と訴えた。県教委職員が「口利きルートははっきりしないが改ざんは明らか」と説明。保護者は「先生を続けて」と声を掛けたり、涙ぐんだりしたという。
 別の学校の説明会では、校長の勧めで教諭は欠席した。学校によると、教諭は三日に辞職願を提出。同僚が「来年の採用試験で合格し、みんなが卒業するまでにこの学校に戻ってきます」という教諭の思いを紹介。涙を流す保護者もいたという。
 保護者十数人が、説明に来ていた県教委職員らに「来年三月まで待てなかったのか」「せめて子どもにお別れを言わせてほしい」と詰め寄ったという。

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