価格据え置き、中身減らす 実質値上げヒタヒタ
若林区のスーパー。陳列棚には、値上げ商品だけでなく、価格はそのままで容量が少なくなった品も増えた。 その一つ、ロッテのチョコレート「ガーナミルク」は8月から容量が70グラムから60グラムに減った。想定小売価格は100円のままだ。同社は「乳製品の価格上昇に伴う措置。消費者の持つ『ガーナチョコは100円』というイメージを変えたくなく、価格を維持して中身を少なくした」と話す。 菓子は食品の中で実質値上げが最も顕著だ。明治製菓が5月にチョコ菓子「きのこの山」などを価格据え置きで容量減に踏み切るなど、他社も似た対応をしている。 容量が180グラムから150グラムになったのは精肉メーカー、伊藤ハムの「チキンナゲット」だ。希望小売価格を変えずに中身を削った。 広報室は「商品は主に298円で店頭販売されている。300円台になれば売り上げが数%下がり、値上げには抵抗感があった」と説明する。 丸大食品も8月、魚肉ソーセージを価格据え置きで80グラムから75グラムに小さくした。 日用品メーカー大手の花王は6月、洗剤「アタック」を1100グラムから100グラム減らした。価格は想定売価400円を保っている。「油脂の価格が上がり、やむを得なかった。消費者のイメージする洗剤の価格を維持したかったので、容量を少なくした」と語る。 ライオンも同様に洗剤の価格を以前のままにして100グラム少なくした。 実質値上げに対する消費者の反応はさまざまだ。若林区の主婦(71)は「原材料費の高騰でメーカーの企業努力も限界なのではないか。夫と2人暮らしで多くは食べないので、量が減った方が値上げよりまし」と納得している。 別の主婦(56)は「値段が同じだったので買ったら、中身が減っていることが最近よくある。ちょっとだまされた感じがして、あまりいい気分がしない」と話している。
2008年09月06日土曜日
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