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【コラム】土建国家と穴掘り経済(下)

 現在の経済危機は、ある意味で土木・建設投資を通じた景気浮揚の限界を示すものかもしれない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は表面的には住宅価格を抑制するため総力戦を繰り広げたように見えるが、過去のどの政権より土建国家的な政策を取った。地方発展という大義名分で数多くの開発計画を乱発し、全国の地価を急騰させ、ニュータウンや革新都市の建設に伴う土地補償費だけで100兆ウォン(約9兆6000億円)をはるかに上回った。結局、こうした天文学的な額の土地補償費は低金利と相まって、住宅市場に流入し不動産価格を急騰させた。土地補償費の10%だけでもより生産的な分野に投資されたならば、半導体や自動車など世界的な競争力を備えた新たな成長産業が胎動を始めたかもしれない。

 土木・建設事業を通じた景気浮揚は目先の雇用を増やし、経営難の企業を延命させることはできるが、それによる副作用は大きく長続きはしない。1990年以降、長期不況に陥った日本も土木主体の景気浮揚策を取ろうとしたが、特に効果を収められずに国の負債だけが膨らんだ。日本政府は景気低迷の悪循環から抜け出すためにむしろ建設投資を減らしているのが実情だ。住宅価格急落などで景気低迷に陥った米国や英国など、先進国が人為的な建設景気浮揚策を取らないのもそうした理由からだ。

 建設事業は必要ならば進めなければならない。しかし、目先の景気浮揚ばかりにとらわれてはならない。少子高齢化、産業構造の変化、低炭素グリーン成長まで考慮した総合的な計画の中でなされる投資こそ、土建国家、穴掘り経済との批判から逃れる道だ。

車学峰(チャ・ハクボン)産業部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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