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落書き「あまりに悪質」 富山霊園、家族ら懸命に消す

2008年09月06日 14:01

落書き「あまりに悪質」 富山霊園、家族ら懸命に消す

心ない墓石の落書きを消しに富山霊園墓地を訪れた住民=富山市西番

 墓石など百七十基が落書きされた富山市西番の富山霊園墓地で、六日早朝から被害を受けた家族らが落書きを消す作業に追われた。油性スプレーを使った心ない落書きは簡単に消すことができず、卑劣な犯行に怒りを募らせた。

 「こんなことをして、何の意味があるのか。うさ晴らしだったとしても、あまりにも悪質だ」。父親の墓に落書きされた市内の男性会社員(46)は、落書きを見て語気を荒げた。

 立山町蔵本新の墓石会社社長、亀山龍厳さん(32)は、八月に手掛けた墓石が心配になって霊園を訪れ、落書きを発見。持ち主に連絡し、業務用のカッターナイフで落書きの赤い塗料部分を削り取った。「墓は、霊前で手を合わせるためにある。落書きのキャンバスではない」。真っ赤になった手で汗をぬぐい残念そうに語った。

 来園した多くの人は、水や車用のワックス、灯油などを持ち込んで落書きを消そうとしたが、スプレーは油性でなかなか落ちない。亀山さんは困っている人たちに声を掛け、一緒に落書きを消して回った。

 四日夕から五日早朝にかけ、赤色のスプレーで墓石など百七十基が落書きされた。霊園を管理する富山市は持ち主のリストを作成。朝から市役所に問い合わせが相次ぎ、職員が電話対応に当たった。

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