かばん開けたら覚せい剤、中国帰りの旅行客逮捕
一般観光客が本人の知らない間に隠せい剤入りのかばんを持たされ、中国から大量の覚せい剤が持ち込まれていたことが分かり、慶北地方警察庁麻薬捜査隊は5日、事件に関与した仁川市在住の駐車代行業、A容疑者(46)ら3人の逮捕状を請求し、覚せい剤2.1キロ、時価70億ウォン(約6億7500万円)相当を押収した。
調べによると、中国山東省威海市に旅行に出かけた容疑者らは、現地のレストランで出会った中国青島市在住の男(49)に「おもちゃのサンプルが入ったかばん1個を、仁川空港に迎えに来る40代の男に渡してほしい」と頼まれ、25日午後にかばんを仁川空港経由で持ち込んだ。
A容疑者らは仁川空港で約束の男と会えなかったため、かばんを開けたところ、おもちゃのサンプルなどに隠されている覚せい剤を確認。そして、警察に届けることなく、受け取り人を探していたところ、28日に仁川市内の自宅で摘発された。A容疑者らは取り調べに対し、「持ち込んだ時には覚せい剤かどうか分からなかったが、実物を目にして欲が出てしまった」と供述しているという。
押収された覚せい剤は7万人に使用できる量で、仁川空港での検査をすり抜けていた。捜査関係者は「海外旅行をする際には見知らぬ人から荷物の輸送を頼まれたり、宅配便の受取人になってほしいと頼まれたりするケースについて特に注意が必要だ」と呼びかけた。
警察は麻薬の受け取り人とされる40代男性の行方を追う一方、一般人をだまして麻薬を密輸する手口の事件がさらにあるとみて調べている。
仁川空港税関は、旅行シーズンには1日に6万人以上が空港を利用するため、人手不足で入国者の3%しか調べることができないとした上で、「麻薬はX線検査でも容易に発見することはできないため、事前情報なしで空港で摘発するには限界がある」と説明している。
大邱=チェ・ジェフン記者
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