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資金管理とメンタルコントロール

稲葉:次に、売買ルールと、資金管理と、メンタルコントロールという、システムトレードでセットになって言われているような話についてお伺いしたいと思います。

多くの人が売買ルールに目が行きがちなんですね。気持ちはすごくよくわかるんですよ。このルールでやればこれだけ勝てるとか、資金管理とかメンタルコントロールに比べて、過去のデータでこうなったというのがはっきり見えるところなので、売買ルールに目が行きがちで、資金管理とかメンタルコントロールの部分がおろそかになりがちだと思うんです。

『システムトレード実践マニュアル』でも、そこはおろそかにできない部分だと思っていて、資金管理やメンタルコントロールの大切さというのはもちろん書いているんですけど、書いてあるにもかかわらず、それでも売買ルールのほうに目が行きがちなんですね。

そういうふうに聞かれたとき、私の場合なんかは、月並みな話になってしまうんですけど、それだったら『マーケットの魔術師』を読んだほうがいいよとか……。(笑)

それぐらいしかなかなかアドバイスができないなと思っているんですけど、斉藤さんのほうから、資金管理とかメンタル(コントロール)を学ぶ方法として、何かよい方法があれば教えていただければなと思うんですが。

斉藤:確かに、学ぶという意味では、『マーケットの魔術師』もいろいろなトレーダーの運用時の心境なんかを書いているし、いろいろとおもしろいと思うんですね。ただ、現実的に自分でやるとなると、また精神状態も変わってくるんですよ。そうするとやっぱり、非常に難しい問題なんですけども、自分で運用していても精神に影響を及ぼさない範囲に資金を抑えたり、結局そういったところしかないと思うんですよね。

どんなにルールを守るぞといっても、現実に大きなドローダウンを受けている状況で冷静な判断ができるかどうかというと、平静を保てるかどうかというのは、自分の冒しているリスクの大きさにもよると思います。

稲葉:そういう意味では、実際にやってみないとわからない部分というのはあるとは思うんですけど。私も昔、先物とかオプションを裁量でがちゃがちゃトレードしていっぱい失敗していたというところから、僕はどっちかというと、実際に公道に出て車を運転して事故になる前に、事故が起こらないような形でちゃんと教習所で学んだほうがいいよというふうに考えているほうで。

人に投資とかそういうのを教えるんだったら、どっちかというとそういうほうから入るほうではあったので、そういうアドバイスを考えていたんですけど。まあ、そうはいっても、実際にやってみないとわからない部分というのはあるというところですね。

斉藤:そうです。その状況に直面しないと、本当の意味のメンタルの大切さというのはわからないですね。冷静な状況で本を読んでいても、自分はできるとだれでも思うと思うんですよ。

稲葉:そうですね、確かに。なるほど。わかりました。過去のバックテスト結果から有効と判断された売買ルールが与えられても、心理面ですね、トレーダーの心理的な要因から、ルールに沿ったトレードを忠実にできないという問題があると思います。

私もそういうのに陥ったことがあるんですけど。『システムトレード実践マニュアル』では、マーケットを昼間は見ないとか、あんまり過大なポジションをとらないというようなことを含めて、こういうのがいいんじゃないかというアドバイス的なことは幾つか書いてあるんですけど、斉藤さんはこのあたりは、ルールを守るために特別意識しているということはありますか。

斉藤:ルールという意味では、私はもともとルール自体は守れているほうだと思うので、それほど参考にならないと思うんですけども。私は逆張りがメーンだったということもあって、許容しているドローダウンが結構大きいんですね。

極端な話、一時的に半分になっちゃっても、一番もうかる方法だったらそれはそれでいいという考え方なので、そういう人間の言うことが参考になるかどうかというのは問題なんですけども、ルールを守るという意味では、結局、資金量を抑えるしかないと思うんですね。

冒せるリスクは人によって違うと思うんですけども、働いていて常に収入があるサラリーマンでまだ若い人なんかは、極端な話、ほとんどなくなっちゃっても生活に与えるダメージというのはそれほど大きくないかもしれないですけど、サラリーマンを定年で退職して年金でやっている人というと話は違うと思うんですよ。

年金、退職金なんかが50%のドローダウンを受けたら、とても耐えられないと思うんです。そういう意味では、日々の生活や精神に影響を及ぼさない範囲で資金を抑えて運用するという以外には、ほとんどないと思いますね。

稲葉:そういった生活スタイルとか資金量とか、そういう問題があるので、結局のところ、売買ルールそのものよりも、自分が許容できる売買ルールかどうかというところを考えるほうが大事なのかなというふうに思います。

(続く)

斉藤正章インタビュー 第二部 目次

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