記事一覧選択画面に戻る

市が新しい救急機関の設立へ動く〜一次救急の輪番制、来年3月までの延長も検討
(9月6日付け)
 紋別市の救急体制の維持が大きな課題となるなか、市は来年4月から一次救急について、なんらかの救急医療機関を市独自に整備する考えを固めた。5日、本紙の取材に応じた宮川良一紋別市長は「紋別市として責任を持って一次救急を守る体制づくりにあたっていきたい」と決意を話した。
 市の救急医療は道立紋別病院の医師不足により安定的な継続が困難になったため、今年4月から今年9月末までは、夜間・休日の一次救急について道立紋別病院(及川郁雄院長)と紋別医師会(小林正司会長)とが輪番制を組んで行っている。
 今回、市が来年4月から救急医療機関を整備する考えを示したことにより、輪番制は来年3月まで延長する方向で協議が進められている。ただ、紋別医師会側では「我々としては当面は10月まで延長することを決めただけで、それ以降来年3月までの延長については今後さらに医師会内で協議する」と含みをもたせていることから、情勢は依然、予断を許さない状況にあると見られる。
 紋別医師会によると、同会に所属する市内の民間病院も医師の高齢化が進んでいて「これ以上の救急への協力は限界に達している」状況だという。
 平成9年には医師会と道立紋別病院が、市に救急救命センターを整備するよう要請したこともあったが、市の財政面の理由などで立ち消えになった経緯があるほか、今回の輪番制への協力についても、医師会側から市に財政支援を要請中ということもあり、医師会としては、市の積極的で具体的な政策が出てくるまでは今後の協力を確約できない、という思いがあるものとみられる。
 西紋5市町村と道では現在の道立紋別病院について平成22年4月から、広域連合による新しい病院運営をスタートさせる予定で、新病院には救急センターの整備も予定されていることから、来年4月までに市が整備しようとするなんらかの救急機関は、新病院発足までのピンチヒッター的な役割を果たすことになる。
 ただ複数の医師の確保や、施設の確保、医療機器の整備など課題は山積みで、残された半年余りの期間で市が新しい救急機関の整備をどう具体化していくかが注目されている。

記事一覧選択画面に戻る

(C)株式会社 北海民友新聞社 1998-2008