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山路監督の現役復帰のシーンを見たいという方々からメールをいただきました。山路監督はあくまでも自分はピンチ要員として代理で出ただけので、あまり大げさにしないでほしいといいそうですが、西京極でのサプライズを見ることのできなかった方のために、4回裏と5回表の「山路劇場」の様子をWEBで再現します。
4回裏、谷川捕手の突然のケガは、チームにとって深刻な状況だったが、チームメートも気遣いながらもあまり暗い雰囲気にはなっていなかった。谷川捕手は太もものあたりを押さえて、痛いと言っている様子。

治療が続くが、すぐにプレーできる状況ではない感じに、山路監督が意を決してダッグアウトに自分のミットを取りに行く。次の試合のルネサスが控えており、麗華監督からも激励を受け、山路捕手は、キャッチボールを数球始めた。まったくアップもしておらず、試合でマスクをかぶるなんて予想もしていなかった事態なのだ。でもいつも平常心の山路監督、ピンチをポジティヴに受け入れ、明るい雰囲気で行動している。

谷川に担架が運ばれたが、自分で歩けますと、腕を借りて谷川が治療のため退場。初めての決勝トーナメント、もっとプレーしたかった谷川の無念が伝わってくる。今季の打点王、本塁打王。のびのびと打つ谷川が見たかったという人も多いだろう。手前はプロテクターなどをつけている山路捕手。

2アウトから試合再開。本田をレフトフライに打ちとって、チェンジ。ホッとした表情で引き上げてくる山路捕手。

さて、5回の表は本来、谷川から。山路は今度はヘルメットとバットを持って打席へ。「10年ぶりの西京極でしたね」と試合後に山路監督に聞くと、「10年前、太陽誘電の選手として決勝トーナメントに出たときは、会場が西京極ではなかったんで。藤井寺球場でした」(山路監督)
打席で構える山路監督を見るのは、久しぶり。練習していないという山路監督は、アップもしていない状況。2塁打など打ってしまったら、橋ってアキレス腱を傷めたりしないだろうかと、懸念していたそのとき!

初球をジャストミートで振りぬいた山路。打った瞬間ホームランだとわかるような、豪快な特大の打球が左中間へ。ベンチも観客席も、口を開けてボールの行方を追う!
左中間越え、特大ソロホームラン!!!
なんと劇的な!いきなりの打席、ひと振りがスミスからのホームランだとは!!!
球場中が興奮と感動に包まれた。
「さすが山路…。こんなにすごい一発が見られるなんて!」
伝説の一発が今年もまた、西京極の歴史に刻まれた。

しかし、山路の背景の看板の文字が「暴力追放」とは。まさに、スミスには暴力のような一発であっただろう。
全力で走らずにすんだことが何よりうれしかった?山路は、ゆっくりとダイヤモンドを回り、メンバーの待つベンチ前へ。
ここまでスミスにノーヒットノーランに抑えられていた太陽誘電。代理出場の山路監督のひと振りで、重い空気が払拭されてしまった。笑顔で迎えるメンバーたち。左にはうれしそうに山路を見守る宇津木妙子総監督の笑顔も。チームは違っても、今も代表チーム時代からのかわいいメンバーなのだ。

「練習していないし、いきなりだったので、ボールを見極める余裕もなくて、初球から振るしかなかっただけです」と山路。
直前にスミス投手はホームでのクロスプレーで足を痛めており、山路への一球めが甘く入ってしまったようだ。だが、それを見逃さず、ジャストミートできる山路はやっぱりすごい。
織機ペースで進んでいた試合。山路の一発で誘電応援団も大盛り上がり。メンバーたちも誇らしそうに、うれしそうに出迎えた。「よーーし、私たちも山路さんに続こう!」

ホームランを見ていた織機メンバーも、敵ながら山路のホームランバッターらしいあっぱれな一発に、敬意の拍手を心の中で送っていたという。ライバルであり、盟友でもある麗華監督も「一瞬の集中力がすばらしかった。さすが世界一流の選手」と絶賛。
そして、山路のこの一発から誘電にヒットが出始めた!
(3)に、つづく
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