「おれの女はらませた」金要求、拒否され逆上か
一宮ワイヤ殺害
一宮市大赤見、金属加工業「仲孝工業所」経営者仲島孝治さん(57)がクレーンにワイヤでつるされて殺害された事件で、犯人とみられる男が仲島さんの長男(19)に電話をかけ、仲島さんの女性関係をめぐる自身の借金などの話を出していたことが、5日までに分かった。仲島さんは複数の女性と交際していたとの情報もあり、一宮署の捜査本部は仲島さんの交友関係から犯人を特定する作業を続けている。
長男に電話した見知らぬ男は仲島さんの交際女性への対応を激しく非難したとされ、会話の一部が次第に分かってきた。
■犯人、意味不明な内容もしゃべる
関係者によると、男は計6回、立て続けに長男に電話。その中で仲島さんが女性を妊娠させたと主張。「おれの女をはらませた」「おかげで女がらみで(おれは)借金をさせられた」などと話したという。
また長男に「死体を隠せ」「今度はおまえの番だ」などと脈略のない意味不明な内容も告げたといい、関係者は男の電話の意図を計りかねているが、仲島さんの女性関係を種に金を脅し取ろうとして仲島さんに拒否されたため逆上、殺害した可能性も浮上してきた。
仲島さんは過去に女性関係の清算でもめたことがあったほか、最近まで2人ほどの女性と交際していたとの情報もある。経済的には余裕があり、趣味で数100万円もする中国の石を収集していたという。
関係者は「電話の内容に意味不明な部分もあり男は薬物中毒者かもしれない。女性関係を清算させようと現金を要求、仲島さんに拒否されたため殺害した可能性もあるが、女性の関係者による単純な恨みによる犯行も考えられる」と話す。現場で血の付いた工具が発見されているとされるが、収集していた石が凶器だった可能性も残されているという。
捜査本部は仲島さんの交際女性周辺者を洗い出しているとみられ「女性関係をめぐる事件であるのは間違いない。女性や犯人の特定は時間の問題」とみる関係者もいる。
【写真説明】「仲孝工業所」経営者の仲島孝治さんが殺害された工場=一宮市大赤見市場
(2008年9月5日更新)
【PR】