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2008年9月6日

◎日米欧の同時株安 世界的な景気後退の兆し

 原油価格が最高値から約二割も下落するなかで、日米欧の三市場の株価が、このところ 大きく値を下げている。原油下落の恩恵より、世界的な景気後退のリスクが高まっているためだろう。日本経済は本来なら、サブプライムローンによる傷は浅く、資源高の影響も比較的少ないはずである。それなのに、欧米市場の低迷に付き合っている理由の一つは、政府の「無策」が影響していると言わざるを得ない。

 これから日本が打ち出す総合経済対策は、掛け値なしに世界経済に大きな影響を与える 。近く始まる自民党総裁選では、景気問題など経済対策を最大の争点として、景気後退から抜け出すための施策を提案してほしい。世界第二の経済大国らしく、大きな視点で堂々とした主張をたたかわせ、各国のエコノミストを納得させるような景気対策を示してもらいたい。

 五日の東京株式市場は、前日の欧州、米国市場の株価急落の流れに連鎖し、日経平均株 価の下げ幅が一時四〇〇円を超え、前日比三四五円安の一万二二一二円で引けた。世界的な景気後退懸念で、原油などの商品価格が急落し、株式市場からも資金が逃げ出している。解約要求に直面するヘッジファンドのポジション調整など、需給主導の下げ相場という見方もあるが、世界的な規模で信用収縮を引き起こしているとすれば、ゆゆしき事態である。

 こんな時期に行われる自民党総裁選の最大の争点は、景気・経済対策であるべきだ。こ のまま景気が低迷すれば、特に法人税収入が落ち込み、二〇〇八年度の当初予算で五十三・六兆円と見込んでいた税収が想定を大きく下回るのは確実だろう。

 総裁候補の顔触れを見ると、景気対策の優先を訴える麻生太郎幹事長、財政再建を重視 する与謝野馨経済財政担当相、小泉構造改革路線の継承を訴える石原伸晃元政調会長、小池百合子元防衛相ら、それぞれ主張の違いがある程度はっきりしているように思える。選挙本番で、実際にどのような主張をするのか聞く必要はあるが、景気より財政再建を重視する候補がいるとしたら、日本の舵取りを任すわけにはいかない。

◎ノーゲームデー 地域ぐるみの意義はある

 七尾市教委と「伸ばせ七尾っ子プロジェクト会議」が今月七日を「ノーテレビ・ノーゲ ームの日」と定め、小中学生を持つ家庭に協力を求めることになった。長時間のゲームやテレビの見過ぎを注意し、一定のルールを設定している家庭もあるだろうが、地域ぐるみで取り組めば各家庭が問題意識を共有し、実効性はより高まるだろう。七尾市では状況を見極めて今後の実施の可能性を探るが、県内では野々市町が同様の日を月一回設定している。先進例も参考にしながら継続を検討してほしい。

 県教委が昨年の全国学力テストを分析したところ、正答率の高い学校は、読書好きで、 テレビ、ゲームの時間が少ない児童、生徒が多いことが分かった。学力とそうした生活習慣の相関関係は全国的なデータからも明らかである。他県では県全体で「ノーテレビ・ノーゲームデー」に取り組んだり、読書推進や役所の「ノー残業デー」を組み合わせて相乗効果を引き出している例もある。工夫を凝らして運動を広げていきたい。

 テレビやゲームの長時間接触は睡眠不足や運動不足、視力低下、コミュニケーション能 力不足など心身への影響が報告され、日本小児科医会も医学的な見地から警鐘を鳴らしている。だが、実際には親はさほど深刻に受け止めず、自分の携帯電話で子どもが長時間ゲームに熱中していても気に留めないことも多いのではないか。

 野々市町では「ののいちっ子を育てる町民会議」などが昨年九月から毎月第一水曜日を 「ノーテレビ・ノーゲームデー」とした。テレビやゲームを全否定するのでなく、テレビ漬け、ゲーム漬けによる弊害を避ける狙いである。中学生以下の子を持つ家庭を対象に、親子での話し合いや学習、読書、早寝などを促している。

 設定日以外でも、せめて食事時間はテレビを消すなどルールの設定は家庭で工夫できる 。テレビやゲームとの付き合い方を教える責任は言うまでもなく家庭にある。たとえ月一回でも「ノーデー」設定はそうした自覚を親に促すきっかけになろう。


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