和田毅投手(27)が5日、2週連続のロッテたたきで「快挙達成」を誓った。あす7日のロッテ戦(ヤフードーム)に9勝目を目指して先発。翌週の14日も敵地に舞台を移して同カードでの先発が有力だ。1・5ゲーム差に迫る宿敵をクライマックスシリーズ(CS)圏外に突き落とす2連勝で、阪神の江夏豊(現野球解説者)以来の、新人から6年連続2ケタ勝利を手にする。
■「全開でやる」
正念場の戦いとなることはわかっている。宿敵相手の2週連続登板に和田が闘志を見せた。「全開でやります。正直、ここまで来て疲れていない投手はいない。でも、頑張るだけです」。現在8勝の左腕がヒタヒタと迫ってきたロッテの足音を再び遠のかせる快投を誓った。
球史に歴史を刻む快挙達成には申し分ない相手だ。2連勝を飾れば1967年から9年連続の江夏以来の6年連続2ケタ勝利となる。ロッテは昨年のCS第1ステージで1勝2敗と敗れ、2005年もプレーオフで苦杯をなめた。難敵との2連戦に「2ケタにリーチ? そうなるように頑張ります」。短い言葉に決意がにじんだ。
和田本人の相性は決して悪くない。今季は4試合に登板し1勝0敗と負けなし。五輪前最終登板だった前回対戦の7月27日の対戦は勝敗こそつかなかったが、10回6安打2失点と抑え込んだ。
過去6年間の通算も23試合10勝8敗と勝ち越し。今江を3番に上げるなどオーダーを組み替えて調子を上げてきたロッテ打線にも「あ、そうなんですか」と気にするそぶりも見せないことが自信の裏返しだ。
■好調に手応え
北京五輪後初登板の7月31日西武戦で自己最長タイの10回を投げ、ゼロを並べた。143球の力投も勝ち星にはつながらず、「やっぱり全身が張っていた」と疲労感も口にしていた。だが、「悪いところを消して、いいところを伸ばして次につなげたいですね」と視線は前に向いている。「まだまだ、こんなもんじゃないという思いもあります」。9安打10三振の前回を超える投球を披露する手応えもつかんでいる。
北京でともに戦った杉内はプロ入り初の2年連続2ケタ勝利にリーチをかけながら2試合連続で足踏み。ホークス先発陣は8月28日のオリックス戦の新垣以来、6試合連続で白星をつけられていない。前回に続く快投、五輪組のホークス初白星でチームに勢いをつける。 (向吉三郎)
=2008/09/06付 西日本スポーツ=