去る11月8日、松本哉君に対し「譴責(戒告)処分」などという不当処分が出された訳だが、その前後の経緯を紹介しておきたい。


■処分の背景

法政の貧乏くささを守る会は、他で紹介しているようにキャンパスで突然鍋をやったり、二週間泊まりこんでみたり、総長室前で宴会を開いたりしている訳だが、法大当局としては「大学のイメージが落ちる」との事でやめさせたくてしょうがないらしい。だが、実際弾圧のしようがなく(つまりなにも悪いことをしていないから)、当局も困り果てていた。

 以前は年に1〜2回発せられていた「警告」が、99年に入る頃から企画ごとに乱発されるようになった。だが、それも根拠がかなり乏しく、「キャンパスで酒盛りをはじめるという暴挙に出ました」とか「コタツを持ち込み、酒を出す、騒音を出すなどの狼藉行為を続けている」とか、大間抜けの文面になってしまい、逆に学生から笑われ、我々の知名度を上げ、当局の「権威」を下げただけになっていた。

 また、現場でも間抜けで、我々がコタツを出しているところに教職員50名が突如出現し、「説得」という名目で排除に来た時も、「受験生に印象が悪い」「イメージが下がる」「学生の本分に反する」以外の事は何も言わず、当局は頭の悪さを発揮していた。そもそも、「コタツを囲んで鍋をやっている学生を取り囲む教職員」というのは実に間抜けな光景だった。

「警告」で逆効果になってしまった事に困った当局は、今度は会員五名の親へ連絡するという暴挙に出た。大学生の親をつかまえて、しかもわざわざ田舎から呼び出して「お宅のお子さんが学内にコタツを出して酒を飲んで、困ってるんですけど」等と親に文句を言ったらしい。が、たいていの親は「小中学生じゃないんだから私に言われても困る」という反応で、逆にこんなくだらん事で一々呼び出すな、などとケンカになるなど、これも失敗に終わった。
 それで出てきたのが、個人処分攻撃である。

■当局による不当個人処分攻撃

10月下旬、法学部教授会から松本君に対し呼び出しがあり、行くと、「学生の本分に反している可能性が高く、君の処分を考えている。だから見解を述べよ」という通知を受けた。
何だそりゃあ!?
 場を改め、その不当性を訴えた「見解」を提出。「教授会に持ち帰って検討します」とありきたりの回答を得たが、数日後、「譴責処分(戒告処分)」が決定。学内中に掲示され、一躍有名人(スター)になってしまった!
 処分理由は、キャンパスでコタツを出した、学内で酒を飲んだ、授業妨害、焚き火をした、徹夜で企画をやった、貧乏くささを守る会の出しているパンフの内容が悪い、の六点である。これが学生の本分に反するということで「学則第53条」により処分だそうだ。全くくだらん!

■不当処分の内容

てつもなく不当な処分だが、一応内容を検討してみたい。

 まず第一に、コタツや鍋、焚き火、飲酒などは、他の学友との交流手段である。これを当局は「公共の場の占拠」などと人聞きの悪い事を言い出だしやがる。我々がやっているのは、多くの学生が集まり、何でもできる空間を創出しようという事であり、まさに「公共」である。公共の場で公共の活動をやって何が悪いんだ!おい!では何をやれというんだ?
 また、焚き火だって、火力や風量に気をつけてやっているし、強すぎると当局や守衛さんに注意されれば、それなりに弱めたり消したりもしていた。それなのに一々言ってきて、しかも、暴徒か放火魔のように扱いやがる。そもそもあんな広い広場があるのに焚き火ぐらいでごちゃごちゃ抜かすな!
 飲酒などに至っては訳が分からない!学内で酒を飲む事が「学生の本分に反する」など聞いた事がない。そんなの常識だろ!当局は一体どんな学生を求めているんだろうか・・・

 第二に、夜間立入禁止等を定めている「禁止三条件六項目」を口実としているのは問題だ。「三−六」など、当局が突然一方的に出してきたもので、全学的な合意形成がなされていないのでほぼ無効とされてきた物だ。こんな物を堂々と持ってくるなど、大問題である。

 第三に、規制強化という問題がある。「授業妨害」がいい例である。要はトラメガがうるさいということなのだが、以前は、校舎内でトラメガを使ってデモをやっても問題なかった。だが、今年の五月から突然、校舎内のトラメガ使用は「授業妨害」になり、十月からはキャンパスでも授業中は駄目、という基準になってきた。向こうの都合で何でも「授業妨害」にされるんじゃあ何も出来なくなる!勝手に規制強化しておいて、従来通りにやっている我々に弾圧をかけてくるなど、とんでもない話だ!また、総長室や学生部に抗議をかけると、「業務妨害」らしい。おまえらにのうのうと業務などさせて置けないから来てるのに、何を抜かしやがる!
 ビラの量が多すぎる等も文句を言われるが余計なお世話である!

 第四。松本君への処分理由に書かれている行動は法政の貧乏くささを守る会の行動であって松本君の行動ではない。にもかかわらず個人を処分するのは明らかにおかしい。個々人の主体性に基づいて行動しているのに、松本君のみが「リーダー」「煽動者」であり、他の者は従っているだけと言うのは失礼極まりない!当局はあくまで、「松本君個人の行動として目に余る物があるから処分である」と言っているが、そんな事はない。もっと暴れている学生だっているし、事実、器物破損に走ろうとする学友を松本君が止めている所も、当局は目の当たりにしているはずだ。どう考えても見せしめ的に処分してきている。これは、処分問題が出るに至る背景を見ても明らかだ。

として、当局は今回の処分理由の一つに当会のパンフの内容が気に入らない、というのがある。これは、我々が受験生向けに作った法政大学案内パンフであり、法大Q&Aと言うコーナーの一角に「裏口入学はありますか?」という質問に対し、あるだろうが、我々の預かり知らない事なので極悪教職員にでも聞いて見てくれ、といった回答を載せておいた。我々も「裏口ぐらいやってんじゃねえの?」と思ってるし、でも分からないから悪い奴に聞いてみてくれ、と、ごく正直に書いたつもりなので、文句言われる筋合いはない。まあそれはそうと、このQ&Aの原稿はみんなで作った物であり、決して松本君が書いた物ではない。なのに彼を処分などとんでもない事だ。当局は「貧乏くささを守る会は今回の処分問題には関係ない」と言い張っているが、関係あるじゃねえか!
 それに、いかなる内容であれ、記事内容によって処分されるなど、言論・出版・表現の自由の侵害じゃねえか!やっちゃいかんぞ、こんな事。更に、所属団体がやった事でその一会員が処分される!こんなの破防法と同じじゃねえか!棄却!棄却!

にかく、不当も不当、とんでもない処分である。やはり、何だかんだ言って当局は、我々が、管理された就職予備校化していく情況に食い入り、鍋、酒等によってまさに実力で、真に学生の手による空間を作り上げている事に震え上がっているという事だろう。要は当局の断末魔の叫びなのだ。こんな物は軽く蹴散らして白紙撤回を克ち取り、敵=当局を追い詰めねばならない!




1999年の軌跡〜怒涛の斗争と乱発警告〜


■1月
18日 市ヶ谷解放区斗争 22日 法政大学名で警告
■2月
9日 二部(夜間部)2限制反対学生部前コタツ斗争 同日 清成忠男総長名で通告 同日 金子征史法学部長名で松本哉君に対し通告

■5月
27日 5・27集会参加 28日 法政大学名で警告 警告 警告の3連発
■7月
5日 「オープンキャンパス」開催にあたり、当局「学生のみなさんへ」を告示
10日 4回にわたって「オープンキャンパス」粉砕
■10月
12日 ビアガーデン斗争 同日 法政大学名で警告 21日 国際反戦デー・ラブ&ピース大暴動集会 30日 法政大学名で警告
■11月
8日 法学部教授会、松本君に対する処分を決定 同日 「グリーンユニバーシティ」ティーチ・イン粉砕闘争 9日 ティーチ・イン粉砕を受けて当局「学生の皆さんへ」を告示 12日 法政大学名で警告 同日 「法大非国民の会」天皇即位10周年不敬集会 キャンパスで日の丸を焼く。 13日 法政大学名で警告
■12月
13日 コタツ処分粉砕集会



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