今回撮影にご協力頂いたのは、氷見市教育委員会の学芸員、西尾正輝さん。撮影を始める前、氷見市に棲むイタセンパラが「ダーウィンが来た!」で番組化できるかどうか、下見に行きました。その時、西尾さんにイタセンパラが棲む場所に案内してもらえる事になりました。日本で最も貴重な淡水魚が、一体どんな場所に棲んでいるのか。名前は知っていても実物は見たことがありません。ドキドキしながら車に乗り込みました。氷見の駅前から車で5分も走ると田園地帯になりました。日本の地方では、どこにでもある風景だなあと思っていると、突然、西尾さんが車を止めました。何か用事でもあるのかなあと思っていると、「ここで降りて下さい」と言われました。「ここって????」頭の中を?マークが飛び回りました。そこは、本当に田んぼのど真ん中。周りには何もありません。半信半疑車を降りると、西尾さんが、
「イタセンパラが棲んでいるのはここです」と言いました。
そこにあったのは、水が濁っていてほとんど流れのない農業用水。幾らなんでも、こんな所に天然記念物で日本で最も貴重な淡水魚がいるとは思えない様な場所です。正直なところ、内心「これはダメだ」と思いました(笑)。だって、ホントに何の変哲もない農業用水なんです。でも、色々と話を聞いていく内に、何故この農業用水に貴重な魚が残されたのか、この農業用水のすばらしさ、かけがえのなさがわかってきました。そのストーリーが面白いと感じ、番組にすることになったのです。 |
|