農水省は5日の会見で、三笠フーズから事故米の加工計画書を提出させ、工業用のりの原料に加工する製粉化の現場にまで立ち会って確認していたと明らかにした。しかし、実際には米はのりとはならず、食用として転売されていた。「立ち会い時に偽の伝票を見せられてだまされた」と釈明するが、販売先の調査もしておらず、同省のチェックの甘さが浮かび上がる。
農水省によると、同社は同省の立ち会い調査の際に伝票や帳簿類を二重に用意して、事故米の食品転用を隠していた。同社が提出した加工計画書には事故米の製粉工程が記されているが、販売流通経路は記載がなかった。事故米の用途についても「合板用の接着剤を増やす溶剤として使われていると聞いている」と説明するが、販売先については把握していなかった。
農水省は「このような不正を見逃すことのないよう、事故米の売却方法を見直しを検討したい」と話している。【田中謙吉、奥山智己】
毎日新聞 2008年9月5日 22時46分