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「韓流」配給会社、1.6億円脱税の疑い 東京国税告発

2008年9月5日8時58分

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 「韓流ブーム」を背景に、韓国ドラマの配給で売り上げを伸ばした「コリア・エンターテインメント」(東京都渋谷区)と成七龍・前社長(38)が、東京国税局から法人税法違反(脱税)の疑いで東京地検に告発されていたことが分かった。隠した所得は07年3月期までの3年間で計約4億5千万円に上り、法人税計約1億6千万円の支払いを免れていた。

 同社は「指摘に従って修正申告した。1日に社長が交代しており、再発防止に努めたい」とコメントした。

 同社広報部によると、同社は04年から3年ほどの間、「散策」「ドクターK」など8本の韓国映画配給権を韓国の代理店から買い付けた際、代金を水増しして支払ったという。同社は「1千万円の映画を、契約上は1億円で購入したことにして同額を支払うなどした。水増し分は次回の買い付けに使うつもりだった」と説明している。

 国税局は「経費の水増しであり、申告所得を圧縮した」と認定した模様だ。購入したドラマの仕入れ時期を前倒しして計上し、所得を圧縮していた点も所得隠しと認定されたほか、「韓流タレント」の写真集など商品の売り上げの一部も除外していたという。

 隠した所得の大半は韓国の銀行口座に預金されていたとみられるが、同社は「韓国の代理店が『すべて正規の代金だ』として、(水増し分の)返還請求に応じてくれない。今年に入って代理店を提訴したが、敗訴した」などとしている。

 民間信用調査会社によると、同社は00年に設立。韓国ドラマや映画の配給権を買い取り、日本国内の放送会社に販売してきた。「冬のソナタ」などドラマのDVD販売も手がけてきた。同社は韓流ブームの前から実績があり、知名度は高く急成長しているという。08年3月期の売上高は約20億円に上り、最近ではドラマ「商道」、「幸せな女」などがヒットした。(中村信義、舟橋宏太)

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