04年に自殺した女性医師(当時28歳)の両親が「過労によるうつ病が原因」として勤め先の「十全総合病院」=愛媛県新居浜市=を運営する財団法人に対し、約1億9000万円の損害賠償を求めた訴訟が、病院側が和解金6600万円を支払うことで大阪高裁で和解した。
和解は8月28日付。両親の代理人は「うつ病の発症と長時間労働の因果関係は認められなかったが、司法が病院側の安全配慮義務を幅広く認定した意義は大きい」と話している。
07年5月の1審・大阪地裁判決は、医師の過労自殺を巡る訴訟で病院側の法的責任を初めて認定し、約7700万円の賠償を命じた。だが、過失相殺の割合を不服とした両親と病院側の双方が控訴していた。【川辺康広】
毎日新聞 2008年9月5日 11時08分