県の出先機関の再編や県立病院のあり方を検討してきた県行政機構審議会(会長・松岡英子信州大教授)は4日、6カ所ある保健所支所の廃止や、教育事務所を4カ所に再編、県立病院の独立行政法人化などを盛り込んだ答申書を、村井仁知事に提出した。
都道府県病院の独法化は8月現在で、大阪、岡山、宮城、山形の4府県で移行しただけで、全国的にも珍しい取り組み。村井知事は「基本的に尊重したい。現地機関に対する地域の声も大切にして対応する」と述べた。
答申では、出先機関について管轄区域を10広域か4ブロックとすることを基本方針とした。保健所については、須坂や千曲など6カ所ある支所は、保健師業務の機能強化のため廃止し、本所に統合。教育事務所は、飯田と佐久の2所をそれぞれ伊那と上田に統廃合し、1ブロック1所体制が適当などとした。一方で「時間・距離など地域性の特殊事情を考慮すべきだ」とも指摘している。
県立病院については、独法化によって経営責任が明確化し、人事や予算も弾力的な運用が可能で、迅速性や自由度が向上すると指摘。「独立法人化することが最もメリットが大きい」とした。
松岡会長は「答申に沿った形で現地機関の見直しに速やかに入ってほしい」と強調。「『統合』と言うとマイナスに取られがちだが、より機能的に出先機関を生かすものだ。『そうではない』ことを実行面で強調してほしい」と要望した。【神崎修一】
毎日新聞 2008年9月5日 地方版