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病院の身体拘束違法〈判決の要旨〉(2/2ページ)

2008年9月5日19時31分

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 当日の入院患者に格別重症患者もおらず、看護師がしばらくの間、患者に付き添って安心させ、排尿やおむつへのこだわりを和らげ、落ち着かせて眠るのを待つという対応が不可能だったとは考えられない。

 切迫性や非代替性は認められず、緊急避難行為として例外的に許される場合に該当するという事情も認められない。抑制の態様としても、様々な疾患を抱えた当時80歳の患者に対するものとして決して軽微とはいえない。従って、本件抑制は違法だ。

 ◆損害額

 抑制の結果としての傷害により患者が受けた身体的及び精神的損害に対する慰謝料は、病院の不適切あるいは違法な対応、傷害の程度から50万円が相当だ。弁護士費用は20万円が相当だ。

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