安倍、塩崎、世耕、山本一太 「チーム安倍」懲りない面々
2008年9月4日 週刊文春
「やっぱり麻生(太郎)さんは幹事長になってよかっただろ。早くから狙うべきだって僕が言ってきたからね。ポストは迷わず獲りに行くのが政治の鉄則なんだよ」したり顔で吹聴するのは、安倍晋三前首相だ。今や「死に体」の福田康夫首相に代わって政局も仕切ろうかという鼻息の麻生氏に、陰で指南しているのは「自分だ」と「振り付け役」を自任している、という。
最近の口癖は「前総理が現総理の足を引っ張ってはいけないので余計なことは言わないが……」。
そもそも、断りを入れること自体が福田批判だが、
「それも計算の内。早く麻生政権を作って外相で入閣し、首相再登板を狙う気らしい。健康さえ許せば、歴史に名を残せた、と信じ込んでいる」(側近議員)
という。
同じように官房長官の地位と権力を忘れられないのが、バラバラだった「チーム安倍」のまとめ役、塩崎恭久元長官である。今でも厚生労働省をはじめとする官僚を、長官気取りで呼びつける毎日だ。
特に長官としての功績と自負する社会保険庁解体や後期高齢者医療制度にはこだわりがある。
ある会合で「私はやることはやった。今の官邸は甘い」と熱弁を振るったところ、苦りきった大島理森国対委員長から「君が言うな」とたしなめられてもいる。
それでも懲りずに、首相補佐官だった世耕弘成参院議員らと「国民の安心を実現し、政治への信頼を取り戻す会」(リゲインの会)を作って次々に官僚に注文する。会の名前自体、「チーム安倍」の面々が名乗るのはしゃれにもならないが、本人たちは大真面目だ。
「安倍応援団」をアピールしながら「チーム安倍」に入れてもらえなかった山本一太参院議員は、いつの間にか「福田シンパ」に転向し、外務副大臣の座を掴んだ。
しかし、アフガニスタンでのNGOメンバー拉致殺害事件では、外務省対策本部長として張り切ったものの、「解放」の未確認情報を誤発表して、結果的に伊藤和也さんの関係者をぬか喜びさせてしまった。記者会見や棺の出迎えなど、テレビに映る機会が多いのも、アピールではないのか、と勘ぐられている。
「チーム安倍」の面々は、今も反省は皆無の様子。「俺が」「私が」の自惚れは相変わらずで、バラバラなのも当時のままだ。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。
<発信箱>続・なめてはいけない=与良正男(論説室)(毎日新聞) - 2008年9月4日 |
やはり奇妙な夏が再来した(The Commons) - 2008年9月2日 |
太田農水相の落選危機(AERA) - 2008年9月1日 |