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川原泉さんの名作コミック『笑う大天使（ミカエル）』がついに映画化！　物語の舞台は、川原さんの作品にたびたび登場する、由緒正しきスーパー・ウルトラ・お嬢さま学園。

母親が亡くなり、17年間生き別れになっていた兄と再会。旧・伯爵家の兄の薦めで、このお嬢さま学校に転校してきた大阪弁チャキチャキの優等生、司上史緒。彼女の親友となる更科柚子は、コロボックルちゃんの愛称で上級生からも可愛がられているマスコット・ガール。ところが、このコロボックルちゃんの秘密は、実はお嬢さまとは程遠い一般庶民のご出身ってこと。ホンモノのお嬢さまたちに囲まれ、史緒ともう1人の隠れ庶民、斎木和音の3人が巻き起こす、とんでもない奇跡とは!?

7月15日より渋谷シネ・アミューズ、シネリーブル池袋ほかにて公開の青春エンターテインメント『笑う大天使（ミカエル）』で、とってもキュートなコロボックルちゃんを演じた平愛梨さんに話を聞いた。

平愛梨（たいら・あいり）
1984年、兵庫県生まれ。『ドリーム・メーカー』（1999）で映画デビュー。映画『ダブルス』（2001）『棒たおし』（2003）、ドラマ『3年B組金八先生』にも出演。

実の妹が通うは、ミカエル学園風のお嬢さま学校!?

完成披露の舞台あいさつ前の取材だったため、平さんは劇中の衣装で登場。多少胸元が開いているので、撮影中は、胸元がはだけないように両面テープでとめていたとか。メガネもやっぱり、「柚子」役の衣装の一部。

自分は「庶民」出身だが、妹がお嬢さま学校に通っていると言う平愛梨さん。くるくるよく動く利発な瞳と、ハキハキとした受け答えが、とても明るい雰囲気。その素直さが育ちのよさを感じさせるところからすると、実は映画同様、由緒正しきご家庭出身なのでは？

「もともとはお嬢さま学校に憧れていたんです。母がお嬢さま学校に入れたかったみたいで、実はお受験もしたんですが、同時に女優のオーディションも受かって東京に出てきてしまったので、断念しました。でも、よく考えたら、実際には世界が違いすぎて『ムリっ！』って思いましたね」

妹さんがお嬢さま学校に通われているそうですが……。

「はい。なので、ときどきお迎えに行かされるんですが、私がよく着てるようなダボ～っとしたジーパンなんか、絶対NGなんですよ。破れたジーパンなんか絶対ご法度で、母からも『そんな格好で行かないで！』と懇願されてます。だからお嬢さま学校に行くと頭がイタくなっちゃうかもしれませんね（笑）」

6人兄弟で、女の子が2人の大家族に育った愛梨さん。娘をお嬢さまに育てたいというお母さんの望みもよくわかる。

「お兄ちゃんが2人、弟が2人、妹が1人の6人兄弟なんです。関西出身なので、家族中がノリとツッコミで毎日ワイワイやっているのですが、妹は学校では大人しくしているみたいです。まさに、ミカエル学園状態ですね」

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実はカメラが苦手？

1999年に映画『ドリーム・メーカー』のDA PUMPのISSAの妹役オーディションでグランプリを受賞し、みごと映画デビューをはたした愛梨さん。その後は、『3年B組金八先生』や『棒たおし』など、ドラマや映画で大活躍中だ。

「私は映画でデビューをさせていただいたので、“最初に映画を知ると、ドラマのテンポについていけなくなるよ”ってスタッフの方に言われたことがあるんですが、本当でした。ドラマはテンポが速すぎるので、映画の撮影の方が性に合ってるかも。それに実はカメラが苦手なんですよ。今回の撮影でも、気づいたらカメラにオシリを向けてしまっていて、反省しました」

撮影前に2時間の「お嬢さまコース」の訓練を受けたという、本格ご令嬢風の立ち居振る舞いもさることながら、3日間集中して撮影したという本格アクション・シーンも『笑う大天使』の見どころの1つだ。

「私は背が小さいので、相手役の人となかなか呼吸が合わなくて、まわし蹴りをして（相手の）頭を何度も蹴ってしまったり……（笑）。青アザだらけで、とても苦労したんです」

運動神経がよく、クラシックバレエや沖縄舞踊が特技という平さん。ミュージカルの舞台にも立ってみたいと話していた。

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『笑う大天使（ミカエル）』がはじめてのマンガ体験!?

ポスターにサイン中！　とても礼儀正しいお嬢さんで、使ったペンなどを率先して片づけてくれ、恐縮しきりのスタッフ一同でした。

小説を読むのが好きだという愛梨さん。でも、『笑う大天使（ミカエル）』の原作を読んで、一気にコミックにハマってしまったとか。

「前は家族愛を描いた小説が好きでした。『世界の中心で、愛をさけぶ』は映画化の前に読んでいて『これって映画になったらどんな風になるんだろう？』って考えていたんですが、スクリーンで見てびっくりしました。YOSHIさんの『もっと、生きたい』が映画化されることがあったら、ぜひヒロインをやってみたいです。撮影に入る前に『笑う大天使』の原作で始めてマンガを読んだんですが、今は『ピーチガール』にすっかりハマってます」

さらに、シングル『wish』でCDデビューもしている愛梨さん。多方面に才能豊かで、特技は沖縄舞踊、そして今はヒップホップ・ダンスの訓練中だそうだ。

「ウマイ、ヘタは無関係に、昔から歌うことが大好きだったんです。お芝居は、監督さんがついていてくれるので、とても安心しますが、歌は自分なりの表現なので、難しいですね。自分でも歌詞を書いてはいるのですが、恥ずかしくて人には見せられないです」

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アクション・シーンにも、ぜひ注目を！

あの小さな体のどこからそんなパワーがでるのかと驚いてしまうほど、夢に向かって楽しく全力疾走している愛梨さん。将来は、歌って踊れる女優さんを目指しているそうだ。

「ミュージカルに出たいですね。まだ舞台をやったことがないので自信がないんですが、舞台の上で、大きな表現のできる女優さんになりたいです。『オズの魔法使い』を見たときに、ジュディ・ガーランドさんがすっごく可愛かったので、彼女のように、歌って踊れる女優さんになりたいって思うようになりました」

最後に、『笑う大天使（ミカエル）』をご覧になる方へのメッセージをお願いします。

「ケガをしちゃったくらい、アクション・シーンをすごく頑張ったので、ぜひ注目してください！　この映画を見た人が、何かを得て帰ってもらえたら、とても嬉しいです」

（テキスト：汐巻裕子/撮影：小川拓洋）

春が舞台だが、撮影したのは実は真冬。薄手の制服姿での撮影は、とにかく寒くて凍えそうだったらしい。

企画・編集：キッチュ

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