林芳正防衛相は5日の閣議で、2008年版防衛白書を報告、了承された。中国の軍事力について、射程約8000キロの新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する潜水艦建造や宇宙の軍事利用、サイバー戦専門部隊の編成など近代化が進み「地域や日本の安全保障にいかなる影響を与えていくか懸念される」と強調。核、ミサイル開発を続ける北朝鮮は「重大な脅威」として強い警戒感を示した。
グルジアに侵攻したロシア軍の極東地域での状況については、訓練の減少傾向が下げ止まり、最近は日本への近接飛行など「活動が活発化」していると分析した。07年版では極東ロシア軍が冷戦時代の旧ソ連軍のような規模に戻る「可能性は低い」との記述があったが、今回は削除された。
日本の新学習指導要領解説書の記述に韓国が反発している竹島(韓国名・独島)に関しては「わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決」と、07年版と同じ表現とした。