アフガニスタンで非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)が殺害された事件で、同会は2日、福岡市中央区大名1丁目の事務局で緊急理事会を開き、伊藤さんの冥福を祈って黙とうした後、中村哲医師(61)以外の日本人スタッフ7人を同国の活動拠点としていたジャララバードの事務所から撤退させ、今月中に帰国させる方針を正式に決めた。
一方で、事業は継続し、日本人スタッフは中村医師だけが4日にジャララバードに向かい、12月まで滞在。現地人スタッフと医療や農業支援、用水路建設などに取り組むことや現地に伊藤さんの記念碑を造ることも決めた。
中村医師は「アフガンの治安情勢は悪くなっているが、私がしんがりを務めて現地の人々だけでやれる態勢をつくり、事業が途切れないようにしたい」と話している。
=2008/09/03付 西日本新聞朝刊=