日本が誇る大企業、ソニー株式会社への転職に成功した松久賢一さん(31歳)に、転職を考えたきっかけや転職成功の秘訣について伺いました。
ソニーに転職したのは2008年の1月です。現在はケミカル&エナジー事業本部に所属し、主にテープ記録媒体の予算策定や損益計算、各部門との事業計画、
シミュレーションといった経営管理の業務を行なっています。前職ではケミカル
製品を扱う企業で、商品開発から販売戦略まで部門横断的に業務を経験してきました。
5年が経過する頃、転職を決意した理由は、おもに2つあります。1つは、昨年の
7月に子どもが産まれ、より安定した収入を得たいと考えるようになったこと。
2つめは、将来の自分のキャリア形成を考えてのことです。前職で開発から営業までを統括した経験から、経営管理系のキャリアを積んでいきたいと考えるようになり、英国国立ウェールズ大学のMBAを取得するなどして、少しずつ準備を進めてきました。
しかし、どうやって転職活動を進めていけばよいのか、全く分からない(笑)。
そこで、まずはネット広告で目に付いた3社の転職エージェントにエントリーをしました。そのなかで、もっとも反応が早かったのがパソナキャリアです。登録した翌日にはすぐ電話を頂き、当初は「中規模程度の企業」「管理系の仕事」「安定」
「ブランド力」という漠然としたキャリアプランしか伝えられなかったのですが、キャリアアドバイザーの方の細やかな対応と会話を重ねることで、自分が求めている企業像や仕事内容が明確になり、「モノづくりの企業で管理の仕事をしたい」という理想を建設的に構築することができました。しかし、前職への思いも強く、妥協が許されない中、3〜4社ほど面接を受けても決めかねていました。
そんなとき、キャリアアドバイザーの方から「ソニーはどうですか?」と勧められたのです。ソニーに対しては、もともと非常によい印象をもっていました。前職でタイに赴任したとき、はじめて海外から日本を見つめ直す機会に恵まれ、日本にいるときは気付かなかった「日本のものづくり力」を実感しました。日本メーカーの中でもとりわけソニーの人気は高く、「メイド・イン・ジャパンのソニー製品を買ってきてくれ」とよく頼まれたものです。このような企業があることを誇りに感じたと同時に、日本人として誇るべき国際企業で働きたいという強い意識が芽生えていました。
転職の際にはブランド力・安定力を重視していましたが、共に申し分のないソニーに入社できれば、こんなラッキーなことはないと面接をお願いしました。人気の
ある企業のため、応募する方も優秀な人材が多いでしょうから採用はとても難しいと思っていましたが、アドバイザーの方からソニーの企業文化や、考えなどのアドバイスをいただいて、面接対策をしました。入社することが目的ではなく、入社したら自分は何を貢献できるのか、という点を中心に考え、整理したと思います。
無我夢中でしたね。
“理想のキャリアを実現するためには”、「テクニカル」と「マインド」の部分をしっかり伝えられることが大切だと思います。テクニカルな部分は、「自分の棚卸し」ができているかどうか。人材は商材ですから、魅力的な部分をアピールできなければ、売り込みも上手くいきません。私の場合、研究開発から経営管理にいたるまで、浅いながら広く行ってきた業務経験から得たバランス感覚が売りだと考えていましたので、「ゼネラリストとしてのスペシャリストである」ということを面接でアピールしました。
自分が輝けるポイントを見つけるということはとても大事ですね。マインドの部分とは、「自分のやりたいこと」を明確にし、その目標を実行したいと思う強い意思です。これが一番大事なことだと思います。
入社して驚いたのは、まず社員がみなソニーが大好きだということです。みな、「モノが好き」「仕事が好き」「ソニーが好き」なんです。外国人との交渉も多く、外側からだけでなく、内側から見てもワールドワイドな企業だということも実感しました。また、
交渉の場面においても、みなロジカルな発言をします。論理的でないことを嫌い、非論理的な部分はとことん追求するので、「人をどれだけ納得させるか」が勝負である
企業風土が根付いています。ソニーに転職してみて、満足度は100%。やはり、私も「ソニーが好き」な社員の一員です。
〈転職前の仕事〉
ケミカル製品を扱う企業で、商品開発から販売戦略まで部門横断的に業務を経験
〈転職後の仕事〉
ソニー株式会社 ケミカル&エナジー事業本部で経営管理の業務
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