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山形で古紙持ち去り多発 市厳しく対処、情報募る

2008年09月05日 08:23
ごみ集積所に出されている古紙類を狙った持ち去り行為が相次いでいる=山形市
ごみ集積所に出されている古紙類を狙った持ち去り行為が相次いでいる=山形市
 山形市は2001年から委託業者による古紙類回収を実施。市内約4400カ所の集積所から回収後、市内の古紙問屋に売却しており、売却額は年間約2500万円になる。回収量の減少は今年5月から目立つようになり、市は持ち去り行為が発生している可能性があると判断。広報紙を通し、目撃した際の連絡を呼び掛けるなどした結果、7月10日から今月4日までに16件の情報が寄せられた。

 午前6時−同9時15分に市街地各所で持ち去り行為が目撃されており、市から委託を受けていない複数の業者が古紙類を持ち去っていたことが判明。このうち、車のナンバーなどから市外の1業者を特定、厳重注意した。

 また、町内会連合会が約8000世帯を対象に集団資源回収に取り組んでいる同市滝山地区では8月上旬、委託業者のものとは異なるトラックで古紙類が持ち去られるのを住民が目撃した。集まった古紙類の量に応じ、集団資源回収の実施団体に市から推進費が入るため、「推進費は公民館、集会場の維持管理などに役立てており、古紙類を無断で持ち去られては困る」と同地区ごみ減量を推進する会の奥野弘会長は憤る。

 古紙類は近年、中国での需要増大に伴って高値で取引されており、市内の古紙問屋によると、古新聞1キロ当たりの買い取り価格は5年前に比べ7.5円アップ。古紙類の持ち去りは全国的に発生しているが、ごみとして出された古紙類の所有権が不明確なことから、窃盗罪を適用しにくく、自衛策として禁止条例を設ける自治体も出ている。今年7月には、ごみ集積所から古新聞を持ち去ったとして、東京都世田谷区の条例違反の罪に問われた古紙回収業者の罰金刑が確定した。

 山形市では04年にも古紙類の持ち去り行為が多発し、古紙問屋に出所不明の古紙類の買い取り拒否を要請するなどして、沈静化を図った。県内で禁止条例を設けている自治体はないが、市は「今後も続くようであれば条例制定もいとわない厳しい態度で臨みたい」としており、持ち去り行為を目撃した際の日時、場所、車のナンバーなどの連絡を求めている。

 資源回収に出された古新聞、チラシなどの古紙類が持ち去られるケースが、山形市内のごみ集積所などで相次いでいる。リサイクル資源として、古紙類の取引価格が高値で推移していることが原因とみられるが、回収した古紙類の売却益は市や町内会などの財源ともなっており、市は持ち去り行為に目を光らせる一方、目撃情報の提供を呼び掛けている。

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