岡山放送局

2008年9月4日 21時11分更新

市職員死亡で労災認定求め提訴


高梁市の職員が、4年前、くも膜下出血で死亡したことについて、民間企業の労災にあたる公務災害に認定されなかったことを不服として、職員の遺族が4日、改めて認定を求める訴えを岡山地方裁判所に起こしました。

訴えを起こしたのは、高梁市の職員で平成16年にくも膜下出血で死亡した森宏之さん(当時40歳)の妻です。

訴えによりますと、市の教育委員会の職員だった宏之さんは、文化財調査の責任者として、亡くなる直前まで、修復や調査などの業務を連日、1人で行い、自宅に帰ったあとも深夜まで作業を続けていたということです。

このため、死亡したのは過労が原因だとして、地方公務員の労働基準監督署にあたる地方公務員災害補償基金に公務災害の認定を求めましたが、認められなかったため、基金に対して改めて認定を求める訴えを4日、岡山地方裁判所に起こしたものです。

原告の弁護士は、基金の審査では、自宅などでの作業の時間を業務と見なしていないが、実質的に仕事をしていたことを認めるべきだとしています。

記者会見した森さんの妻は「夫は仕事のために深夜まで働いていたのに、公務と認められないのは納得がいかない。」と話していました。

提訴されたことについて、地方公務員災害補償基金、岡山県支部は「訴状が届いていないので、現段階ではコメントできない」と話しています。