残業代不払いをはじめとする違法労働を経験したことがあるとした若者は51%に上り、うち76%は泣き寝入りしている実態が3日、若年労働者を支援する民間非営利団体(NPO)の「POSSE」(ポッセ、東京)による計500人の街頭アンケートで分かった。POSSEは「労組などの社会的サポートがなく、あきらめが広がっている」と分析している。
アンケートは今年6、7月、東京都内で若者が多い渋谷、立川など4カ所で、学生アルバイトを除く34歳までの労働者に実施。
経験した違法状態は、残業代不払いが最も多く、有給休暇が取得できなかったり社会保険に入れなかったりするなどのほか、セクハラやパワーハラスメントもあった。違法状態に対し何もしなかった理由は「是正させることができると思わなかった」「職場の人間関係が壊れる」など。労組や労働基準監督署に相談した人はゼロで、対処した人の大半は自分で会社と掛け合った。
転職について「今すぐしたい」が12%、「いずれしたい」が51%。「職場に若者を使い捨てにする雰囲気がある」と感じる人が22%に上った。
POSSE代表の今野晴貴さん(25)は「労組などによるサポートの仕組みが若者から遠い存在になっている。個人加盟労組やNPOなど、若者に身近な組織の取り組みが重要だ」としている。
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