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京都ウトロ地区問題: 延世大と高麗大が募金バトル

一人当たり10円寄付でウトロ地区を支援

 伝統のライバルである私立大学の両雄、延世大学と高麗大学の学生たちが「異色の対決」を繰り広げることになった。延世大の学生はシンボルカラー「青」、高麗大の学生はシンボルカラー「赤」の服を着て、その数を競うという対決だ。

 延世大と高麗大の総学生会は3日、「5日から始まる両校のスポーツ大会“延高戦”を迎えるにあたり、学校を象徴する色の服を着たり、アクセサリーなどを身に着けて登校した学生の数を数え、一人当たり100ウォン(約10円)を学生会費から拠出する。そして、退去を迫られている京都ウトロ地区の在日韓国人にその資金を支援する、“分かち合いバトル”を行う」と明らかにした。

3日午前、高麗大学(ソウル市城北区安岩洞)で赤いTシャツを着て募金を呼びかける総学生会所属の学生たち。延世大学と高麗大学の学生たちは、今年の両校によるスポーツ大会「延高戦」シーズンを迎えるにあたり、各大学のシンボルカラーである青と赤の服を着た学生の数と同じ額の募金を集め、日本植民地時代に強制徴用された在日韓国人居住区「ウトロ地区」(京都府宇治市)に寄付することにした。 /写真=オ・ジョンチャン記者

 ウトロ地区は、日本による植民地占領時代、飛行機工場建設のため強制徴用された朝鮮人の子孫らが集まり、住んでいる地域だ。1989年に土地の所有者である日本企業が同地区に住む在日韓国人に退去を求めたため、住民は資金を集め土地を買い取ろうと努力しているが、まだ十分な資金が集まっていない。

 両大学の総学生会は2日朝から計数器(カウンター:ボタンを押すたびに数字が記録される機械)を使い、それぞれのシンボルカラーを身に着け登校する学生の数を数えている。午前8時30分から11時30分までの間に校門を通った学生のうち、高麗大は赤いシャツ・赤いカバン・赤い靴などを身に着けている学生、延世大は青いシャツ・青い時計・青い靴などを身に着けている学生の数を数えるという方法だ。

 だが、ルールはやや複雑だ。青や紺色系のジーパンはあまりにも多すぎるため、延世大のシンボルカラーとは認められないが、ジーンズ素材のスカートはカウントする。また、女子学生の「赤い口紅」は募金目的で塗ってきた場合にのみ高麗大のシンボルカラーとして認められる。

 3日現在、両大学の募金額は高麗大40万8500ウォン(約3万9000円)、延世大37万5600ウォン(約3万6000円)と、高麗大が一歩リードしている。両大学は4日までカウントを続け、最終的な合計額を募金として社会福祉財団「美しい財団」を通じウトロ地区の住民に渡す予定だ。「美しい財団」のキム・ヒジョン幹事は「ライバル校より少しでも多く寄付しようと頑張る学生たちの競争はかなり激しいですね」と話している。

キム・ジンミョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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