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「本に未来はある」出版不況の中、“人と本をつなぐ仕事”の学校が登場

イベント 2008年9月4日17時29分配信

授業中の様子 ※デザインコミュニケーション学部 ジョン・C・ジェイ氏(左)、学部長の黒崎輝男氏(右)

書店が減り、雑誌の休刊・廃刊が続く出版不況の昨今。インターネットの発達により、調べ物はパソコン、もしくは携帯電話で行うのが当然という認識が広まりつつあるとは言えど、印刷された文字の信用性は決して失われず、本の存在がなくなることはない。では、どんな本を読めばいいのか? 今の自分に必要な本とは? そんな“本との出会い”を導く職業や、本について学ぶ学校が、9月10日からスタートする。

これは、世田谷区にある池尻ものづくり学校内で、2005年から開校した専門スクール“スクーリング・パッド”の新コースとして開設された「ブックコンシェルジュコース」。代官山の専門洋書店「hacknet」代表の安岡洋一氏がメイン講師を務め、実際に本に携わる人々をゲスト講師に、本の現状と未来といった本をとりまく環境から、自分自身と本との携わり方を学んでいく。安岡氏は「もともと『本』という漢字は、『物事の基本にあたる』という意味から転じて書物を指すようになったそう。クリエイティブに生きるためのひとつのツールとしての本のあり方、知の原点を再考し、本を通した『頭の散歩』を楽しみましょう」とこのコースについて語っている。現在予定されている講師は、ユトレヒトの江口宏志氏やインテリアショップの本棚や書店づくりまでを手掛けるBACHの幅允孝氏、幻冬舎の二本柳陵介氏らとなっている。

なお、同スクールでは、今回で第7期目となるデザインコミュニケーション学部も現在参加者を募集している。こちらは、デザインという単語から連想する、“いいデザイン、悪いデザイン”を考えるのではなく、“デザインとはなにか”をテーマに、デザインそのものがコミュニケーションの媒体であるということを、さまざまな分野の講師との対話から学ぶもの。“デザイン”というと、専門的で、近寄りがたいイメージがあるが、例えば、“好きな女の子に思いを伝えたい”とき、どう伝えるか、何を話すか、を考えることもデザイン。そこに正解はなく、自分自身が“いい”と思った方法をひたすら考えることが必要となる。講師は、「風とロック」代表の箭内道彦氏、Nikeの広告等を手掛けるクリエイティブ・エージェンシー、ワイデン+ケネディのジョン・C・ジェイ氏、建築家の隈研吾氏、東京画廊のオーナーである山本豊津氏らを予定。一見華やかな世界にいるが、その裏には想像以上の努力が隠れている講師陣とともに、自分自身について考え抜くコースとなっている。

このスクーリング・パッドでは、他にも現在開講中の映画俳優コース、製作・配給宣伝コース、飲食事業について学ぶレストランビジネス学部、そして農業について学ぶ農業ビジネスデザイン学部もある。“自分自身の生き方・働き方を学び続ける(=スクーリング)ことで発見する”学校に、一度訪れてみてはいかがだろう。

スクーリング・パッド
デザインコミュニケーション学部 9月27日~12月20日 全12回
ブックコンシェルジュコース 9月10日~12月3日 全12回
※いずれも世田谷ものづくり学校内にて開催

関連アーティスト

箭内道彦  

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