三村申吾知事は3日の定例会見で、同乗した医師が患者を治療しながら病院へ搬送する「ドクターヘリ」の運航を今年度中に始めることを正式に発表した。県立中央病院(青森市)の救急救命センターが充実するまでは、八戸市立市民病院(八戸市)が運航病院となる。ドクターヘリ運航にかかわる経費などを盛り込んだ予算案は、県議会9月定例会に提出する方針。
県内の主要病院の関係者が集まり、7月29日に開かれた「第2回ドクターヘリ調査検討委員会」で、医療関係者の合意が得られ、県が最終的に検討していた。三村知事は「地域の救急医療を取り巻く環境は厳しいものがある。ヘリコプターの活用で、県内どこでもいち早く医師の診断が受けられ、県民の救命率向上が期待される」と述べた。運航開始は早ければ来年1月。
一方、国土交通省北海道開発局の官製談合事件をめぐり、元社員が競争入札妨害(談合)罪で略式起訴された東京都の準大手ゼネコン「前田建設工業」を含む共同企業体(JV)に、県が大型トンネル工事を落札させていた問題で、三村知事は「県は、より一層慎重かつ厳格に対処するため、(前田建設工業の)指名停止期間を決めるまでの時間を要した」としたうえで、「さまざまな観点から工夫をする余地があるのではないかと思っている」と話した。
また、日本原燃(六ケ所村)の使用済み核燃料再処理工場で、ガラス固化体の製造試験が7月3日から中断し、再開のめどが立っていない問題については「スケジュールを優先させるのではなく、安全の確保を第一に取り組んでほしいと考えている」と述べた。【後藤豪】
毎日新聞 2008年9月4日 地方版